- 公務員試験ってどんな試験なの?
- 誰でも受けられる試験なの?
- 公務員試験の受け方は?
- 公務員試験の難易度は?
- 対策はどうやってやればいいの?
- 対策にはどれくらいの時間が必要?
- 独学でも受かるの?
保健師として働く就職先はいくつかあります。その中でも全体の7割以上の保健師が行政保健師として都道府県・市区町村の保健師として働いています。
行政保健師として働くためには公務員試験に合格する必要があります。しかし、公務員試験とはどのようなものなのか良く分からないという人も多いです。
この記事を読むことで、公務員試験とはどのようなものかを理解し行政保健師になるための具体的方法が分かるようになります。
公務員試験ってどんな試験なの?
公務員試験とはその名のとおり、公務員になるための試験で、昔からあるものです。
公務員試験の特徴は以下のとおりです。
- 自治体に採用されるための採用試験
- 一次試験と二次試験がある
- 合格すると行政保健師になれる
自治体に採用されるための採用試験
公務員試験は自分が働きたい自治体に採用されるために受験する採用試験で、以下のような特徴があります。
- 合格すると行政保健師になれる
- 採用職種によって区分を選択する
- 出題範囲が広く、試験対策は必須
試験問題を作るのは各自治体なので、自治体ごとに試験の内容や日程は異なります。
採用職種によって試験区分が分かれており、保健師になるためには[保健師区分]を受験します。一般的に公務員試験は出題範囲が広く、出題数も多いため試験対策は必須です。
毎年、自治体のホームページに受験案内が掲載されるので必ず確認しましょう。
一次試験と二次試験がある
公務員試験は一次試験と二次試験の二段構えで構成されることがほとんどです。
試験の特徴は以下のとおりです。
- 一次試験は筆記試験がメイン
- 二次試験は人物試験がメイン
- 一次試験通過者が二次試験を受験できる
- 一次試験と二次試験は別日に実施される
一次試験では知識や知能をみる筆記試験が行われ、二次試験では小論文や面接、グループディスカッション、適性検査などの思考力や人間性、業務適性をみる人物試験が行われます。
以下は自治体の例と試験内容をまとめた表です。
A | B | C | D | E | |||||
一 次 試 験 | 教養試験 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基礎能力検査(SPI) | |||||||||
専門試験 | |||||||||
小論文 | |||||||||
二 次 試 験 | 面接① | ||||||||
面接② | |||||||||
グループワーク等 | |||||||||
適性検査 |
※小論文は一次試験の時に解答し、二次試験の得点として使用する自治体が多いです
二次試験は一次試験通過者が受験できるようにしている自治体が多く、日程は別に設定されています。
さらに別日に2回目の面接を行う自治体も珍しくありません。
合格すると行政保健師になれる
公務員試験の最終合格すると、以下のように行政保健師として働くことができます。
- 合格した自治体の職員として採用される
- 保健師区分の合格者は行政保健師として採用される
- 採用後は自治体の各機関に配属される
例えば、A市の公務員試験の[保健師区分]に合格した場合、A市の職員として採用され、保健師として保健センターや市役所に配属になるということです。
誰でも受けられる試験なの?
どんな試験にも受験資格があります。基本的にどこの自治体でも『保健師免許の所有(見込み含む)』と『年齢要件』さえ満たしていれば誰でも受験することができます。
受験する区分は以下の2パターンあります。
- 大学卒業程度
- 社会人経験者
大学卒業程度
保健師の受験区分は自治体によって異なりますが、以下のような名前がついています。
- Ⅰ類 …東京都特別区
- 地方上級 …都道府県や規模の大きな市など
- A・B・C日程 …市町村など
保健師の学歴は4年制の大学を卒業と同等のものなので『大学卒業程度』の区分になっています。
大学卒業程度の受験区分で受験する人は以下のような人です。
- 新卒の人
- 看護師からの転職者
- 保健師経験のない既卒者
受験者の大半が保健師経験のない人たちなので、ほとんどの人が『大学卒業程度』の区分で受験します。
社会人経験者
社会人経験者枠が用意されている自治体もあります。
社会人経験者と聞くと看護師からの転職者も該当しそうなイメージですが、ここでいう社会人経験者とは、保健師としての実務経験のことです。
例えば、他の自治体などで保健師として働いた経験があるが、別の自治体を受験する場合はこちらの受験区分を受験します。一般的に社会人経験者枠の方が大学卒業程度枠よりも試験が簡素であることが多いです。
公務員試験の受け方は?
公務員試験を受けるためには手順がありますが、難しいものではありません。
出願から受験までの流れは以下のとおりです。
- 受験案内を確認
- 出願
- 受験票が届く
- 受験
受験したい自治体のホームページで受験案内を確認します。
受験案内の確認ポイントは以下のとおりです。
- 受験する年度の最新の案内が出ているか
- 保健師の採用枠はあるか
- 試験日や試験科目、受験資格は例年通りか
- 例年と大きな違いはないか
その年の受験案内がアップされるのは試験日の数か月前なので、こまめに確認しましょう。
過去の受験案内も確認できることが多いので、3年分くらいは目を通して採用区分や募集人員、試験科目、受験資格などに大きな変化がないか必ず確認しておきましょう。
ちょうど私が受験した年に、自治体の1つが試験科目に大きな変化がありました。受験案内がアップされた日に確認できたので、急いで試験対策を切り替えることができました。
出願は基本的にWEBで行います。ホームページに出願方法の案内があるのでその通りに行えば大丈夫です。
出願における注意点は以下のとおりです。
- 出願開始日と締め切り日を把握しておく
- 余裕をもって出願する
- 出願前にもう一度受験案内を確認する
出願には期間があります。締め切りを過ぎてしまうと試験が受けられないので出願は余裕をもって行いましょう。
2次試験ではエントリーシートをもとに面接を行うので、出願時にエントリーシートの提出を求められることが多いです。データで送信する場合もあれば紙面で郵送する場合もあるので、必ずもう一度受験案内に目を通して他に必要な手続きがないか確認しましょう。
出願が完了すると試験日までに受験票が届きます。受験票は試験の時に必要なので大切に保管しておきましょう。また、住所や氏名の漢字、生年月日等に誤りがないかも確認しておきましょう。
当日は落ち着いて試験に臨めるように以下の点を事前に確認しておきましょう。
- 会場の場所を確実に確認する
- 時間を確実に確認する
- 持ち物を確実に確認する
試験会場は指定があります。受験区分や受験番号によって会場は何か所が用意されていることがあるので、自分が試験を受ける会場は確実に確認しておきましょう。
試験開始時間だけではなく、受付開始時間も確認し、余裕をもって着席できるように時間管理を行うことも重要です。1次試験は一日かかることが多いので、昼食も忘れずに持っていきましょう。
公務員試験の難易度は?
公務員試験の難易度は自治体の規模や倍率によって異なりますが、誰でも合格できる試験ではないことは事実です。
- 決して簡単な試験ではない
- 対策なしでは合格できない
決して簡単な試験ではない
保健師の公務員試験の倍率は3倍~7倍が目安です。
国家試験のように最終合格ラインが決まっている試験と違い、採用枠内で合否を決定するため、全ての受験生が対策を行った上で受験したとしても半分以上の人が不合格になる試験です。
公務員試験は採用枠の奪い合いです。
対策なしでは合格できない
合格するためには他の受験生と差をつける必要があります。
試験科目が多く、やるべきことがたくさんあるので、試験科目の特徴を理解した上で正しい方法で対策することが合格への近道です。
対策はどうやってやればいいの?
公務員試験は正しい方法で対策を行えるかどうかで合否が決まります。
対策における重要ポイントは以下のとおりです。
- 試験科目の種類を知る
- 試験科目の特徴を知る
- 試験科目ごとの配点を知る
- 合格までの学習スケジュールを立てる
まずは自分が受験する自治体で課される公務員試験の試験科目の種類を知る必要があります。
また、それぞれの試験科目がどのような試験で、どのような問題が出るのかを知らなければいけません。科目ごとに配点が異なるため、優先順位をつけて対策を行う必要があります。
公務員試験は少なくとも半年以上かけて対策を行う必要があるため、長期的な学習スケジュールを立てることも重要です。
対策にはどれくらいの時間が必要?
対策を始めるのは早いに越したことはありません。いつから対策を始めれば良いかを考える際のポイントは以下2点です。
- 試験科目ごとに必要な勉強時間が異なる
- 最低でも半年は対策が必要
試験科目ごとに必要な対策時間が異なる
試験科目の量や種類によって必要な勉強時間は変わります。例えば、以下は試験科目と最低限必要な対策期間の例です。
- 教養試験 6か月
- SPI試験 2か月
- 専門試験 6か月
- 小論文 2~3か月
- 面接 1か月
教養試験や専門試験は最も勉強時間が必要です。
複数の試験科目がある分、1つの科目あたりにかけられる時間が少なくなるため、優先順位をつけて対策することがとても大切です。
最低でも半年は対策が必要
公務員試験は複数科目の対策を並行して進めなければならないため、最低でも半年以上は対策が必要です。
以下は対策スケジュールの例です。
教養試験と専門試験は優先順位が高く、配点のウエイトも大きいため対策開始から試験日まで継続して対策する必要があります。
対策を始めて、張り切っていきなり小論文や面接の対策も始めると、教養試験と専門試験の対策時間が足りなくなるので効率的とは言えません。
最初は教養試験と専門試験で基礎を固めてから小論文の対策を始めた方が良いです。
独学でも受かるの?
公務員試験の対策方法は以下の4パターンです。
- 市販の教材を用いた独学
- 大学の公務員試験対策講座を受講
- 公務員試験予備校に通う
- 公務員試験の通信講座を受講
どのパターンでも合格することは可能です。自分の学習スタイルや生活に合わせた方法を選択すると良いです。
全てのパターンにおいて共通して言えるのは以下の2点です。
- 正しい対策を行うことが鍵
- 勉強時間の確保が鍵
正しい対策を行うことが鍵
公務員試験は正しい対策を行うことで合格することができます。
公務員試験における正しい対策とは以下のとおりです。
- 試験科目の特徴を理解する
- 試験科目ごとに優先順位をつける
- 長期的な学習スケジュールを立てる
公務員試験は試験科目が多いため、試験の特徴を理解した上でどの試験科目や分野にどれくらい時間をかけるのかを計画的に考えて対策を進める必要があります。
勉強時間の確保が鍵
勉強時間の確保ができない人は基本的に合格は難しいです。
勉強時間が確保できない人の例は以下のとおりです。
- 実習や定期試験で忙しい
- 部活やサークル、アルバイトで忙しい
- 社会人なので仕事が忙しい
- 家事や育児で忙しい
日常生活が忙しく、勉強時間が確保できないと合格に近付くことはできません。
ただ、状況は他の受験生も皆同じです。忙しい中でも、いかに時間を作り出して勉強できるかどうかが合否を左右します。
まとめ
この記事では、公務員試験に合格して保健師として働くための具体的な方法について解説しました。
公務員試験は決して簡単なものではなく、しっかりとした対策が必要です。受験する自治体の受験案内を確認し、計画的に試験科目の対策を進めることが重要です。
独学でも合格は可能ですが、効率的な学習スケジュールを立て、十分な勉強時間を確保することが鍵となります。
この記事を参考に、公務員試験に向けてしっかりと準備を進め、行政保健師としてのキャリアを目指してください。