- 看護師として働くことに疑問を感じている…
- 毎日の業務に充実感を得られない…
- 看護師が自分に合っているか不安…
- 自分が向いてないと思ったらどうすればいい?
上記のように、自分が本当に看護師に向いているのか悩む人は多いです。看護師の仕事はやりがいがある一方で、人によっては向き不向きがあります。
この記事では看護師に向いていない人の特徴や向いていないと感じる理由、対処法を詳しく解説します。
この記事を読めば、自分の適性を客観的に評価できるだけでなく、今後のキャリアを考えるきっかけにもなります。自分に合った働き方や環境を模索している人は、参考にしてください。
看護師に向いてない人の特徴7選
看護師に向いてない人の特徴は下記のとおりです。
- 1つの悩みを引きずってしまう
- 人に興味がない
- 手先が不器用である
- 汚物処理に強い抵抗感がある
- 責任感がない
- 思いやりが持てない
- 積極性がない
①1つの悩みを引きずってしまう
看護の現場では日々さまざまな課題に直面します。患者の容体の急変や医療ミス、上司との関係性、同僚とのトラブルなど、悩みの種は尽きません。
1つの悩みを長期間引きずってしまう傾向がある人は、看護師として働く上で大きな障害に直面する可能性があります。悩みを引きずると、以下の問題を引き起こす可能性が高いです。
- 業務効率の低下
- 新たなミスの誘発
- メンタルヘルスの悪化
- チーム全体のモチベーション低下
看護師の悩みは非常に多く複雑なので、1つの悩みが負の連鎖を生み悪循環に陥ることも多いです。
看護師には、過去の経験から学び、新たな課題に前向きに取り組む姿勢が求められます。1つの悩みにとらわれすぎず、次の患者のケアに集中できる柔軟性が必要です。
②人に興味がない
看護師の仕事の核心は人との関わりです。患者の身体的・精神的ケアや家族への対応、医療スタッフとの連携など常に人とのコミュニケーションが求められます。人に興味がない、あるいは人との関わりを面倒に感じる人は、看護師として働くことが向いていない可能性が高いです。
人に興味がない看護師の行動例は以下のとおりです。
- 患者の話を聞こうとしない
- 患者の背景に関心を示さない
- チーム内のコミュニケーションを避ける
- 患者の感情に共感できない
上記の傾向は、患者との信頼関係の構築を困難にし、質の高い看護の提供を妨げます。チーム医療の実践にも支障をきたします。
人に興味を持つスキルは、意識的な努力と経験によって向上させることが可能です。最初は苦手だと感じても、患者や同僚との関わりを通じて少しずつ改善できます。
③手先が不器用である
看護師の業務には、細かな作業が多いです。点滴の準備や注射の実施、創傷の処置など、手先の器用さを要する作業が必要です。手先が不器用な場合、以下の問題が発生します。
- 医療器具の取り扱いミス
- 注射や採血時の患者への負担
- 処置にかかる時間の増加
- 業務効率の低下
血管確保や採血時に何度も針を刺し直すと、患者に余計な痛みや不安を与えてしまいます。点滴のカクテルや包帯交換に時間がかかりすぎると、他の業務に支障をきたす可能性があります。
手先の器用さは練習によって向上させることが可能です。新人看護師のうちは誰もが不器用さを感じます。経験を積み、繰り返し練習することで必要なスキルを身に付けましょう。不器用さを感じる場合は、オフタイムを利用して練習したり、先輩にコツを聞いたりするなど、積極的に改善を図る姿勢が重要です。
自転車と同じで最初は誰しも困難さを感じますが、日々の訓練により確実に上達します。
④汚物処理に強い抵抗感がある
看護師の仕事の中で、汚物処理は避けられません。患者の排せつ物の処理や嘔吐物の清掃、創傷の処置など汚物に接する機会は多いです。汚物処理に強い抵抗感がある場合、以下の問題が発生します。
- 必要な処置の遅延
- 患者の不快感や羞恥心の増大
- 感染リスクの上昇
- チーム内での信頼関係の悪化
患者のおむつ交換をためらうことで皮膚トラブルを引き起こしたり、患者の尊厳を傷つけたりします。汚物処理を同僚に任せきりにすると、チーム内の人間関係に悪影響を及ぼす恐れも高いです。
⑤責任感がない
看護師の仕事は患者の命に直結するため、責任感が欠かせません。責任感の欠如は患者の安全を脅かし、医療の質を低下させます。責任感が不足している看護師には、以下の特徴が見られます。
- 業務の締め切りを守れない
- ミスを他人のせいにする
- 患者の安全への意識が低い
- 自己改善の意欲に欠ける
投薬ミスや転倒などのインシデントを犯しても反省せず、システムの不備を責める態度は問題です。患者の容体の変化を見逃し、報告を怠る行動も、責任感の欠如を意味します。
責任感は経験を積むことで自然と身に付く場合もあります。新人看護師が最初から完璧な責任感を持つのは難しいですが、以下の意識を持つことで責任感を養えます。
- 自分の行動が与える影響を考える
- ミスを隠さず報告する勇気を持つ
- 継続的な学習で知識を更新する
- チーム全体の成果に貢献する
責任感は看護師として成長するための重要な要素です。自覚的に責任感を育てる努力が、優れた看護師への道を開きます。
⑥思いやりが持てない
看護の本質は患者への思いやりです。病気やけがで弱っている人々に寄り添い、心身のケアを行う役割を果たします。思いやりの心が欠けていると、適切な看護を提供することが困難です。
以下の行動をとる看護師は、思いやりが持てないと捉えられます。
- 患者の訴えを軽視する
- 冷たい態度や言葉遣いをする
- 患者の不安や恐れに無関心になる
- 業務をこなすだけの機械的な対応をする
痛みを訴える患者に「大したことないでしょう」と言ったり、不安を持つ患者を無視したりする行為は避けましょう。思いやりが欠如している典型的な行動です。
思いやりは生まれながらの資質だけでなく意識的に育てられます。思いやりを育むには、以下の取り組みが効果的です。
- 患者の立場に立って考える
- 傾聴スキルを磨く
- 自己の感情管理を学ぶ
- 患者の小さな変化に気づく
思いやりを持って接することで患者との信頼関係が深まり、治療効果も高まります。看護師としての成長には技術や知識だけでなく、思いやりの心を育てることが不可欠です。
忙しい時は余裕がない対応をしがちですが、自分の対応が周囲からみてどう思われているかを考える癖をつけましょう。
⑦積極性がない
看護の現場では患者の状態が刻々と変化します。積極的に行動し、状況に応じて迅速に対応する能力が求められます。積極性に欠ける看護師は患者ケアの質を低下させ、チーム全体の効率を下げる可能性が高いです。
積極性が不足している看護師には、以下の特徴が見られます。
- 指示待ち姿勢が強い
- 新しい課題に尻込みする
- 自発的な学習意欲が低い
- 患者との関わりを避ける
患者の容体に変化があっても報告をためらったり、新しい医療機器の使用を避けたりする行動は積極性の欠如の例です。積極性は意識的な努力で培えます。以下の取り組みが効果的です。
- 小さな目標を設定し達成する
- 新しい知識や技術に挑戦する
- 患者との対話を積極的に行う
- チーム内で意見を述べる機会を作る
積極性を高めることで看護師としての成長が加速し、より質の高い医療サービスを提供できます。自己啓発の姿勢を持ち続けることが、優れた看護師になる第一歩です。
看護師に向いてないと感じる理由
看護師に向いてないと感じる理由は下記のとおりです。
- スキルや知識の不足により不安を感じる
- 命に関わる責任がきつい
- 仕事に楽しさがなくつらい
- 人間関係のストレスがある
- 夜勤や不規則な勤務で体力を消耗している
スキルや知識の不足により不安を感じる
医療の現場では高度な専門知識と技術が要求されます。新人看護師や経験の浅い看護師は、自分のスキルや知識の不足に不安を感じやすいです。
具体的には、以下の場面で不安を感じる場合があります。
- 複雑な医療処置を任されたとき
- 初めての手技に直面したとき
- 患者の質問に答えられないとき
- 医療機器の操作に戸惑うとき
- 緊急時の対応に迷うとき
看護師としてのスキルや知識が不足している段階では、誰もが不安に直面するものです。最初のうちは分からなくて当然ですが、出来ないことや分からないことが積み重なると自己肯定感が持てず、不安感が高まりやすいです。
命に関わる責任がきつい
看護師の仕事は人命を預かる重責を担います。患者の生死に直結する判断や行動を日常的に求められるため、精神的なプレッシャーが大きいです。
命に関わる責任の重さは、以下の場面で顕著に現れます。
- 急変時の対応
- 重症患者のケア
- 医療ミスの予防
- 終末期患者のサポート
夜勤中に患者の容体が急変した場合には、迅速な判断と行動が必要です。一瞬の遅れや判断ミスが取り返しのつかない結果を招く可能性があるため、常に緊張感を強いられます。
急変対応や終末期患者の受け持ちによるプレッシャーと緊張感は本当に計り知れないものがあります。
仕事に楽しさがなくつらい
看護師の仕事はやりがいがある反面、身体的・精神的に負担が大きい職業です。日々の業務に追われ、仕事の楽しさを見失ってしまう場合があります。
仕事に楽しさを感じられなくなる要因は以下のとおりです。
- 過酷な勤務体制
- 患者との心理的距離
- 業務の単調さ
- 職場の人間関係
連続した夜勤やシフト制による不規則な生活リズムが続くと、心身ともに疲労が蓄積し、仕事の楽しさを感じられません。
人間関係のストレスがある
看護の現場では、多様な人々との関わりが求められます。患者や医師、同僚看護師など、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取ることが不可欠です。複雑な人間関係は、時としてストレスの源です。
人間関係のストレスは、主に以下の状況で生じます。
- 上司からの厳しい指導
- 同僚との意見の不一致
- 患者からのクレーム
- 医師との連携の難しさ
新人看護師が先輩からの厳しい指導を受け続けると自信を失い、職場に行くのが怖くなる場合もあります。
理不尽なインシデントレポート作成の強要や、無視、他のスタッフとの態度の差なども大きなストレスを生みます。
夜勤や不規則な勤務で体力を消耗している
看護師の仕事は、24時間365日の医療サービスを支える重要な役割です。夜勤や不規則な勤務体制は避けられません。体力的な負担が大きく、健康面での不安を感じる看護師も多いです。
夜勤や不規則な勤務による体力消耗は、以下の影響をもたらします。
- 睡眠リズムの乱れ
- 慢性的な疲労感
- 集中力の低下
- 免疫力の低下
夜勤明けの日中に十分な睡眠が取れないと、次の勤務に夜勤の疲れを持ち越してしまう悪循環に陥ります。また、集中力の低下によりミスを引き起こすリスクも上がります。
休日にしっかり休んで心身ともにリフレッシュすることが重要です。
看護師に向いてないと思ったときの対処法
看護師に向いてないと思ったときの対処法は以下のとおりです。
- 院内で異動する
- 休暇を取る
- 職場や働き方を変える
- 同僚や上司に相談する
院内で異動する
同じ病院内でも部署によって雰囲気や業務内容は大きく異なります。現在の部署が自分に合わないと感じたら、院内異動を検討しましょう。
新しい環境での刺激や異なる専門性の習得、適性の再発見、人間関係のリセットなど、多くのメリットがあります。
忙しすぎる急性期病棟から、じっくりケアができる回復期リハビリテーション病棟への異動で、やりがいを感じる看護師も多いです。自己の適性を十分に分析し、希望部署の業務内容を調査した上で、上司と率直に相談しましょう。
それぞれ看護師の適性は異なるので、師長面談の時に正直に異動希望を伝えるのも重要です。
休暇を取る
看護師の仕事は心身ともに負担が大きいため、適切な休息が不可欠です。燃え尽き症候群を防ぎ、仕事への情熱を取り戻すには、十分な休暇を取りましょう。
心身のリフレッシュや客観的な自己分析の時間、新たな視点の獲得、仕事への意欲回復などの効果が期待できます。
1週間の連続休暇を取得し、趣味に没頭したり旅行に出かけたりすることで、日常から離れ、新たな視点を得られます。十分な休息時間を確保して自己啓発活動に参加したり、他の看護師と交流したりするのも効果的です。
職場や働き方を変える
現在の職場環境や働き方に限界を感じたら、転職や勤務形態の変更を検討する価値があります。看護師の資格を活かせる職場は多岐にわたります。病院以外の選択肢は以下のとおりです。
- クリニック
- 介護施設
- 企業の健康管理室
- 学校保健室
- 在宅医療
- 医療機器メーカー
- 保健師
職場を変えることで、ワークライフバランスの改善や専門性の向上、給与条件の改善などのメリットがあります。自己の適性と希望を明確にし、新環境の詳細な調査や必要なスキルの習得、転職後のキャリアプランも考慮しましょう。
職場や働き方の変更は、看護師としてのキャリアに新たな可能性をもたらします。
保健師の資格を持っている場合、看護師ではなく保健師として働くことも視野に入れると選択肢が広がります。
同僚や上司に相談する
看護師として働く中で悩みを抱えたときには、1人で抱え込まずに同僚や上司に相談することが問題解決の糸口です。
外部の視点を取り入れることで、新たな気づきや解決策が見つかる場合も多いです。経験者からのアドバイスは、精神的なサポートだけでなく、職場環境の改善機会などのメリットもあります。
信頼できる相談相手を選び、具体的な状況説明と自己の感情を率直に伝え、相手の意見を謙虚に受け入れましょう。開かれたコミュニケーションを通じて、互いに支え合える職場環境を作れます。
パターン別|自分に合った看護師の職場の選び方
看護師の仕事は多岐にわたり、個人の適性や希望に合わせてさまざまな選択肢があります。自分に合った職場を見つけることで、仕事への満足度が高まり、長期的なキャリア構築が可能です。
自分に合った看護師の職場の選び方をパターン別に紹介します。
- 一人ひとりに向き合いたい
- スキルアップしたい
- 規則正しい生活をしたい
- 子どもを相手に働きたい
一人ひとりに向き合いたい
患者一人ひとりとしっかり向き合い、丁寧なケアを提供したい看護師には以下の職場がおすすめです。
- 訪問看護ステーション
- 在宅医療サービス
- 小規模クリニック
- 高齢者施設
上記の職場では個別化された看護の実践や、患者と深い信頼関係を構築できます。看護の成果を実感しやすく、自己の看護観を反映しやすい環境です。自立性の高い業務への適性やコミュニケーション能力、幅広い医療知識、時間管理能力が求められます。
スキルアップしたい
専門性を高め、キャリアアップを目指す看護師には以下の職場がおすすめです。
- 大学病院
- 専門病院
- 救急医療センター
- 集中治療室(ICU)
上記の職場では、最新の医療知識の習得や高度な技術の実践機会が豊富です。専門資格取得のサポートやキャリアパスの明確化も期待できます。
ただし、高ストレス環境への適応力や継続的な学習意欲などの覚悟が必要です。競争的な職場環境である点も考慮しましょう。
私は救急の現場に7年いましたが、興味や関心、高い学習意欲がないとやっていくのは大変な部署です。
規則正しい生活をしたい
ワークライフバランスを重視し、規則正しい生活を送りたい看護師には以下の職場がおすすめです。
- クリニック
- 企業の健康管理室
- 学校保健室
- デイサービス
上記の職場では、安定した睡眠サイクルで働ける上、プライベートの時間を確保できます。身体的・精神的ストレスの軽減や長期的な健康維持にもつながります。
ただし、給与水準の変化や限定された専門性、緊急時対応の機会が減少する点などには注意が必要です。
子どもを相手に働きたい
子どもと関わる仕事に携わりたい看護師には以下の職場がおすすめです。
- 小児科クリニック
- 小児病棟
- 学校保健室
- 新生児集中治療室(NICU)
上記の職場では、子どもの成長に携われる喜びを感じられ、家族全体をじっくりとケアできます。小児科特有の専門知識を習得でき、社会貢献度も高いです。感情管理の重要性や保護者対応のスキル、精神的ストレスへの対処能力が求められます。
子どもと同じくらい保護者への対応も重要なので大変ですが、成人や高齢者にはないやりがいを感じられる分野です。
まとめ
看護師という職業に向いていないと感じることは、キャリアの中で誰もが経験する悩みです。一時的な感情と本質的な適性を混同せず、冷静に状況を分析しましょう。
看護師に向いていないと感じたときは、以下のアプローチが効果的です。
- 院内での異動
- 十分な休暇の取得
- 職場や働き方の変更
- 同僚や上司への相談
自分に合った環境を見つけることで、看護師としてのやりがいや情熱を再発見できる可能性が高まります。個人の適性や希望に合わせて、さまざまな職場の選択肢があることを忘れないでください。
看護師の道に迷いを感じる人は1人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら自分自身と向き合う時間を大切にしましょう。