- 看護師の仕事が大変でしんどい…
- ずっと今の仕事を続けられる自信がない…
- 大変な時にどう乗り越えたら良いのか知りたい
- 転職を検討する基準はどんな時?
労働環境や人間関係、キャリアなど、看護師の悩みは尽きません。
働く中でさまざまな困難に直面し、限界を感じている看護師は大勢います。このまま今の仕事を続けることに漠然とした不安を抱えているという人も多いでしょう。
この記事では、看護師の仕事の大変さや大変なことを減らす方法、転職を考えるべき状況について詳しく解説します。
この記事を読むと、自分の状況を客観的に見つめ直し、具体的に行動すべきことを明確化することができます。
看護師の仕事で大変なこと
看護師は、患者の命を預かる重要な役目を担っており、多くの課題を抱えています。
看護師の仕事で大変なことについて、下記を解説します。
- 人間関係のトラブルが多い
- プレッシャーが大きい
- 勉強量が多い
- 休暇が取りにくい
- 残業が多い
- 患者を看取らなければいけない
人間関係のトラブルが多い
看護師の仕事では、人間関係のトラブルが多いです。医療現場ではさまざまな人が関わるため、トラブルが発生しやすく、看護師がストレスを感じやすくなっています。
人間関係のトラブルの原因には、下記のものがあります。
- 医師や他の看護師との対立
- 患者さんや患者さん家族とのコミュニケーション
- 世代間のギャップ
- ハラスメント問題
- 上司からの過度な要求や期待
- 新人看護師へのサポート不足
- 勤務シフトへの不公平感や不満
看護師は多くの職種や患者、幅広い年齢層や立場の人たちと関わります。そのため、相手の立場や態度に合わせてコミュニケーションを取る高い対人スキルが強く求められます。
時には意見の食い違いや対立によりストレスを感じたり、理不尽な要求や叱責により落ち込むことも日常茶飯事です。
病院内において、看護師以上に対人スキルが求められる職種はないと思っています。
プレッシャーが大きい
看護師の仕事は、プレッシャーが大きいです。患者の命を預かる責任の重さから、常に緊張を強いられます。
プレッシャーの原因として挙げられるものは、下記のとおりです。
- 医療ミスの可能性
- 急変時の対応
- 医師や上司からの要求
- 患者や家族からの期待
常に緊張を強いられることから、看護師の心身には大きな負担がかかります。理想と現実のギャップに戸惑う新人看護師も大勢います。
患者に一番近い存在だからこそのプレッシャーは非常に大きいです。
勉強量が多い
勉強量が多いことも、看護師の仕事で大変なことの一つです。看護師は医療技術の進歩に追いつくために、下記のような継続的な学習を求められます。
- 新しい薬や治療法の知識の習得
- 専門資格の取得
- 院内研修や勉強会への参加
- 医療機器や新しいシステムの操作の習得
- 法律や規制の変更の把握
- 看護記録や報告書作成スキルの向上
- 緊急時の対応や最新の救命処置法の習得
新しい知識やスキルの学習は、業務時間外にしかできないことも多いです。プライベートの時間を削る必要があるため、看護師にとって大きな負担となります。
業務時間内は患者対応などに追われ、勉強をしている余裕がないので、必然的に休日や業務時間外を使うしかありません。
休暇が取りにくい
看護師の仕事は、休暇が取りにくいです。多くの看護師が十分な休暇を取得できず、心身に疲労を感じています。
看護師が休暇を取りにくい原因として挙げられるものは、下記のとおりです。
- 人手不足による業務の多忙
- シフト制による制約
- 急な欠勤や緊急事態への対応
- 休暇申請を出しづらい雰囲気
休暇が取りにくい状況が続くと、看護師の心身の健康に大きな影響を及ぼし、燃え尽き症候群や離職につながる恐れがあります。
残業が多い
慢性な人手不足により残業が常態化している病院が増え、多くの看護師が長時間労働に悩まされています。
残業が多くなる原因は、下記のとおりです。
- 勤務時間外に記録や引き継ぎがある
- 予定時間内に仕事が終わらないことがある
- 緊急入院や急変患者への対応が必要になる
残業による疲労の蓄積は、医療ミス発生のリスクを高めてしまいます。残業代が十分に支払われないケースも多く、離職率の上昇につながっているのが問題です。
特に記録は引継ぎが終わった後にようやく取り掛かれるという看護師も多いです。引継ぎのタイミングで緊急入院や患者の急変があった場合は、前勤務者が残って対応することが多いです。
患者を看取らなければいけない
看護師は、患者を看取らなければいけません。患者を看取る際は、尊厳を保ちながらも適切にケアをする必要があります。
患者の家族への対応も求められるので、看護師の精神的負担はとても大きくなります。看取る際の判断や対応は、経験の浅い看護師にとって特に負担の大きい業務です。
看取りの経験を重ねることで、下記のような影響が出る可能性があります。
- 精神的ストレスが蓄積される
- 感情のコントロールが困難になる
- 死生観に影響を及ぼす
看取りの経験は看護師としての成長にもつながりますが、チーム内での振り返りや心のケアを欠かさずに行うことが重要です。
看取りは遺族への声掛けや周囲の患者への配慮など、ものすごく神経をすり減らす業務の一つです。
看護師の仕事での大変なことを減らす方法
看護師の仕事での大変なことを減らす方法について、下記のものを解説します。
- 周囲に相談する
- 長期休暇や休職を取得する
- 転職する
周囲に相談する
仕事での大変さを減らす方法の一つが、周囲に相談することです。悩みを1人で抱え込まず、信頼できる人に話を聞いてもらうことで、新たな視点や解決策が見つかる可能性があります。
悩みを相談できる相談先は、下記のとおりです。
- 信頼できる同僚や上司
- 看護師長や主任
- メンター
- 病院の相談窓口や産業医
- 労働組合
- 家族や友人
- 看護協会の相談窓口
- オンラインの看護師コミュニティ
- 看護師向けのカウンセリングサービス
- 看護師仲間とのグループ相談
相談することで自分の状況を客観的に見つめ直すことができ、解決策が見つかる可能性を高められます。悩みがある場合は1人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。
相談しやすい人、信頼できる人なら誰でも大丈夫です。
長期休暇や休職を検討する
仕事が大変な場合は、長期休暇や休職を検討しましょう。
激務や人間関係で限界を感じる看護師にとって、休養は重要な選択肢の一つです。長期休暇や休職を検討する際は、まず上司や人事部門に相談し、利用可能な制度を確認しましょう。休暇・休職中の給与や待遇についても詳しく確認するのがおすすめです。
復帰後のサポート体制まで確認するとより安心して休暇や休職に入れます。
休暇・休職中は、下記のことに取り組むのがおすすめです。
- 自己啓発や資格を取得する
- ストレス解消法を見つける
- 生活リズムを整える
- 医療機関を受診する
休暇・休職中に復帰時期の目安を設定し、段階的な復帰プランを作成しましょう。仕事への復帰もスムーズになります。
転職する
転職をして環境を変えることで、現在の職場での問題から解放され、心機一転してキャリアを再スタートできます。
転職を検討する際は、下記のポイントを確認しましょう。
- 自分の経験
- 自分の強みや弱み
- 希望する勤務形態
- ワークライフバランス
- 給与や待遇
- 転職先の雰囲気
- 転職先の評判や口コミ
- キャリアアップの機会
転職活動の際は、転職エージェントの利用がおすすめです。
知識と経験が豊富なエージェントが希望をヒアリングし、あなたに適した転職先を紹介してくれます。履歴書の添削や面接対策、待遇面の交渉代行などのサポート体制も万全です。
転職ではタイミングも重要です。退職と転職の間隔が長くならないよう計画的に行動しましょう。
看護師が転職を考えるべき状況
看護師はやりがいのある仕事ですが、心身への負担が大きいのも事実です。
看護師が転職を考えるべき状況について、下記のケースを解説します。
- 健康に影響が出ている
- 家庭や子育てとの両立が難しくなっている
- キャリアアップを視野に入れている
健康に影響が出ている
健康に影響が出ている場合、看護師は転職を考えるべきです。看護師は、長時間労働や過度なストレスの影響で心身に不調が出やすい職業です。
下記のような症状が出ている場合は、転職を検討しましょう。
- 慢性的な倦怠感
- うつ症状
- 不安障害
- 不眠などの睡眠障害
- 頭痛や胃腸の不調
- 体重の急激な増減
- パニック発作
- アルコールや薬物への依存
健康面の不調は、看護師としての仕事の質を低下させるだけなく、症状が慢性化する恐れもあります。患者への適切なケアにも影響を与えかねません。健康に影響が出ていれば、転職を検討するのがおすすめです。
もし、健康面への影響が出ているにも関わらず、退職させて貰えない場合は退職代行で退職するのも手です。
家庭や子育てとの両立が難しくなっている
看護師が転職を考えるべき状況に、家庭や子育てとの両立が難しい場合があります。
下記のような理由から、多くの看護師が仕事と私生活のバランスを保つことに苦労しています。
- 勤務制のシフトや夜勤
- 長時間労働
- 残業の多さ
- 急な呼び出しや勤務変更
- 休日や祝日の出勤
- 子供の休みへの対応
仕事の拘束時間が長いと、自分自身の体調管理も難しいです。
保育園や学童保育の時間と勤務時間が合わないので、育児の負担も増し、家族のケアも十分にできません。仕事と家庭の両立が難しい場合、転職は有効な選択肢の一つです。
キャリアアップを視野に入れている
キャリアアップしたい看護師は、転職を考えるべきです。より専門的な知識や技術を身に付け、責任ある立場で働きたいと思っている看護師は大勢います。
キャリアアップの主な方法は、下記のとおりです。
- 認定看護師や専門看護師の資格を取得する
- マネジメント能力を向上する
- 看護教育や研究へ携わる
- 国際的な経験を積む
キャリアアップにより、より高い報酬や待遇を得られる可能性を高められます。キャリアの選択肢が広がるので、自分に合った働き方を見つけやすくなるのもキャリアアップのメリットです。
看護師が転職しやすい職種
看護師が転職しやすい職種として、下記のものを解説します。
- クリニック看護師
- 介護施設看護師
- 保育園看護師
- 産業看護師
クリニック看護師
クリニックは病院よりも小規模で、患者数も少ないのが特徴です。
クリニック看護師の魅力を以下にまとめました。
魅力 | 詳細 |
夜勤や当直がない勤務形態 | ・夜勤や当直がほとんどないため安定した生活リズムを保てる ・家族や趣味の時間も確保しやすい |
勤務時間が規則的 | ・勤務時間が比較的規則的で平日の日勤が多い ・プライベートの時間も確保しやすい |
ワークライフバランスが整っている | ・仕事とプライベートの両立がしやすい ・長期的なキャリアを築きやすい |
仕事と家庭の両立に悩んでいた看護師にとって、クリニックへの転職は魅力的な選択肢になります。
待遇面以外でも、クリニック看護師には下記の魅力もあります。
- 専門性が高くなる
- 患者と長期的な関係を構築できる
- 院長や医師との距離が近くなる
- 慢性疾患や軽症の患者が中心で急変リスクが低くなる
クリニック看護師は、患者の生活背景まで把握しやすく、地域密着型の医療に貢献したい人におすすめです。デメリットとしては、キャリアアップの機会が少なく、給与水準が病院より低いことが挙げられます。
夜勤がないので、夜勤で稼いでいる人は給与が大きく下がる人もいます。
介護施設看護師
看護師が転職しやすい職種の一つが、介護施設です。
患者の医療処置や投薬管理をしながら、介護スタッフと連携して入居者のケアプランを作成することが主な仕事です。
病院勤務の看護師と比べて落ち着いた環境で働け、高齢者と長期的な関わりを持って、じっくりとしたケアを提供できます。介護施設看護師の魅力を以下にまとめました。
魅力 | 詳細 |
安定した雇用 | 介護施設の需要が高まっており長期的な雇用の安定が期待できる |
患者との深い関係 | 患者と長期間にわたる関わりがあり、信頼関係を築きやすい |
柔軟な働き方 | シフト制が導入されており家庭との両立がしやすい働き方が可能 |
介護施設看護師は、高齢者の健康管理と医療ケアにおいて重要な役割を果たします。
介護施設看護師の具体的な業務内容は、下記のとおりです。
- 緊急時の対応と判断
- 入居者家族とのコミュニケーション
- 感染症対策の実施と管理
- リハビリテーションの支援
- 終末期ケアの提供
- 記録の作成と管理
- 医療機器の管理と操作
施設によっては夜勤や待機勤務があるので、勤務体制に柔軟に対応できる人に向いています。介護保険制度や認知症ケアの理解が必要です。他職種連携によるチームケアのための協調性は欠かせません。
看護師の数が少ないので、自分で色々考えて主体的に行動できる人には向いています。
保育園看護師
保育園看護師は、保育士と協力しながら園児の健康を守るのが主な業務です。
保育園看護師の魅力には、下記があります。
魅力 | 詳細 |
日中のみの勤務 | 夜勤がないため生活リズムを整えやすい |
ストレスが少ない | ・緊急事態や重症患者の対応が少ない ・子供の健康管理が主な業務となるためストレスが少ない ・日常的に笑顔の多い職場環境で働ける |
子どもの成長を見守れる | ・子どもの成長を見守れ喜びを感じられる ・健康面から子供たちを支えるやりがいがある |
保育園看護師の具体的な業務は、下記のとおりです。
- 園児の健康状態の観察と判断
- 季節ごとの健康管理や保健指導
- 保護者とのコミュニケーション
- 急なけがや病気への対応
- 感染症対策や衛生管理
保育園看護師が行う医療行為は、限定的なものにとどまります。チームワークを重視する職場環境なので協調性も重要です。特に子育て中の看護師にとって働きやすいのが、保育園看護師の魅力です。
産業看護師
看護師が転職しやすい職種に、産業看護師があります。
産業看護師は、企業や事業所で従業員の健康管理を担当する職種です。産業看護師は業務を通じて、企業の健康経営推進に貢献し、予防医学の視点から従業員の健康を支援します。
夜勤や休日出勤が少なく、定時退社できるところが多いので、ワークライフバランスを保ちやすいのが魅力です。
産業看護師の主な業務は、下記のとおりです。
- 健康診断の実施と結果管理
- メンタルヘルスケア
- 職場環境の改善提案
- 従業員の健康管理
- 労働安全衛生法に基づく業務
プライベートの時間を確保しやすいので、家庭との両立もしやすく、専門性を生かしたキャリアアップもできます。産業医や人事部門と連携しながら、ストレスチェックの実施や職場復帰支援プログラムの運営など、幅広い業務に携われます。
産業看護師や産業保健師の求人は都市部では多いですが、地方ではほとんどないため、地方で就職するのはかなり難しいと思っていいでしょう。
看護師の仕事のやりがい
看護師の仕事のやりがい下記のとおりです。
- 患者の役に立ち感謝される
- 医療チームで看護に携われる
- 給与基準が高額である
患者の役に立ち感謝される
患者の役に立ち、感謝されることが看護師のやりがいです。
看護師は仕事を通して、下記のような場面で患者の役に立てます。
- 患者の不安や痛みを和らげる
- 患者の生活の質を向上させる
- 患者に精神的なサポートを提供する
- 患者の健康教育や予防医療に貢献する
- 患者の命を救える
看護師が仕事を通して感謝され、やりがいを感じる場面としては、下記があります。
- 患者や家族から感謝の言葉をもらえる
- 患者の笑顔や喜びを直接見られる
- 患者の人生の節目に立ち会って寄り添える
患者の回復や改善を直接サポートできるので、自分の仕事が患者の役に立っていると実感しやすいのが看護師の特徴です。社会に必要とされている実感を得やすいのが、仕事のやりがいにつながっています。
感謝されるのが目的ではありませんが、やはり患者の役に立ち、感謝されると少し報われた気分になります。
医療チームで看護に携われる
看護師の仕事のやりがいとして、チームで取り組めることがあります。
チームで取り組むメリットは、下記のとおりです。
- 多職種連携により患者に総合的な医療サービスを提供できる
- チームワークを通じてお互いに学び合える
- 責任の分担がストレス軽減につながる
- 緊急時に助け合える
- コミュニケーション能力が向上する
- 専門知識や技術を共有できる
- 患者の回復過程をメンバーで分かち合える
病院では多くの専門職が強みを生かしてチームワークを発揮できます。お互いに協力し合いながら共通の目標に向かって努力することは大きな達成感につながります。
重症だった患者が歩いて帰る時の喜びをチームで分かち合えるのは看護師ならではです。
給与基準が高額である
看護師の仕事のやりがいに、給与が高いことが挙げられます。
看護師は高度な専門性と責任が求められるので、一般的に給与水準が高くなっています。夜勤や休日出勤などの特殊手当の加算や、経験年数や資格取得に応じて昇給が見込めるのも魅力です。
大学病院や専門病院など、施設によっては、さらに高給を見込める場合もあります。看護師不足のため求人市場での競争力も高まっているので、転職時には条件交渉の余地があり、給与アップの機会も多くあります。キャリアアップによる収入増を期待できるのも、看護師のやりがいの一つです。
キャリアアップの方法には、管理職への昇進や専門看護師の資格取得などがあります。地域や勤務先によっても給与は異なり、都市部や大規模病院ほど給与水準が高い傾向にあります。
まとめ
看護師の仕事は大変ですが、やりがいも大きい仕事です。
しかし、心身の健康や家庭との両立が難しくなったり、キャリアアップの必要性を感じたりする場合があります。その時は転職を検討するタイミングです。
看護師としての経験を生かしながら、より充実した仕事生活を送れるよう、転職を前向きに考えることをおすすめします。