- 教養試験の内容と難易度は?
- ボーダーラインはどれくらい?
- 合格するための対策方法は?
- どんな参考書を使えばいい?
- 自分には合格できる自信がない…
公務員試験における教養試験は出題範囲が広く、問題数も多いです。
対策には非常に多くの時間がかかるので、時間がない中で対策をして合格点がとれるか不安な人も多いでしょう。
教養試験は膨大な出題範囲の中から、出題数の多い科目に絞って重点的に対策を行うことができなければ、いくら時間をかけても合格することは難しいです。
この記事では、私自身が実際に公務員試験に合格した経験と反省から、公務員試験の要である教養試験をいかに短時間で効率的に合格できるかを解説します。
この記事を読むことで、公務員試験における教養試験の内容と出題範囲、合格するための対策方法が理解できるようになります。
押さえておきたい教養試験3つのポイント
教養試験は出題範囲が非常に広い試験です。そのため、対策は要点を絞って効率的に進めていく必要があります。
まずは教養試験の押さえておきたいポイントを解説します。
- 出題範囲と内容には型がある
- 難易度は高校レベルだが対策は必須
- 合格ライン・ボーダーラインは5~6割が目安
①出題範囲と内容には型がある
公務員試験には採用職種によっていくつかの試験区分があります。
行政保健師の試験区分は以下のように表されることがほとんどです。
- 特別区(東京都23区)
- 地方上級(全国型、関東型、中部・北陸型)
- 市役所(A・B・C日程)
それぞれの区分によって以下のように科目ごとの出題数に差があります。
科目 / 区分 | 特別区 | 地方上級【型】 | 市役所 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 関東 | 中北 | ||||||
文章理解 | 現代文 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | ||
英文 | 4 | 5 | 5 | 5 | 3 | |||
数的処理 | 判断推理 | 10 | 10 | 7 | 10 | 8 | ||
数的推理 | 5 | 6 | 4 | 6 | 4 | |||
資料解釈 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||
社会科学 | 法律・政治 | 3 | 4 | 4 | 3 | 2 | ||
経済 | 1 | 3 | 3 | 3 | 1 | |||
社会 | 1 | |||||||
時事・社会事情 | 4 | 5 | 7 | 4 | 5 | |||
人文科学 | 思想 | 1 | ||||||
日本史 | 1 | 2 | 3 | 2 | 2 | |||
世界史 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
地理 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
自然科学 | 数学 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
物理 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
化学 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | |||
生物 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |||
地学 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
合計 | 48 | 50 | 50 | 50 | 40 |
大きく分けて5つの科目から合計40~50問出題されます。
②難易度は高校レベルだが対策は必須
教養試験の問題の難易度は高校レベルです。そこまで難解な問題は出題されません。
しかし、知識を問う問題が多いため、対策をしておかないと合格点に達することは出来ません。
逆に言えば、対策さえしっかり行えば誰でも合格点に達することは可能と言えます。
③合格ライン・ボーダーラインは5~6割が目安
合格ライン・ボーダーラインは自治体により差がありますが、大体5~6割を足切りラインとする自治体が多いです。
倍率が高い場合は、受験者の出来次第でボーダーラインを設定するため、募集の段階で足切りラインを公表していない自治体もあります。
高得点が取れるに越したことはありませんが、6割得点できることを目標に対策を進めましょう。
教養試験で重点的に対策すべき科目は3つ
教養試験の科目は5科目あり、20以上の分野から構成されます。
重点的に対策すべき科目は以下の3つです。
- 文章理解
- 数的処理
- 社会科学
教養試験において重点的に対策すべき3つの科目に印を付けてみます。
科目 / 区分 | 特別区 | 地方上級【型】 | 市役所 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 関東 | 中北 | ||||||
文章理解 | 現代文 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | ||
英文 | 4 | 5 | 5 | 5 | 3 | |||
数的処理 | 判断推理 | 10 | 10 | 7 | 10 | 8 | ||
数的推理 | 5 | 6 | 4 | 6 | 4 | |||
資料解釈 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||
社会科学 | 法律・政治 | 3 | 4 | 4 | 3 | 2 | ||
経済 | 1 | 3 | 3 | 3 | 1 | |||
社会 | 1 | |||||||
時事・社会事情 | 4 | 5 | 7 | 4 | 5 | |||
人文科学 | 思想 | 1 | ||||||
日本史 | 1 | 2 | 3 | 2 | 2 | |||
世界史 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
地理 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
自然科学 | 数学 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
物理 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
化学 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | |||
生物 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |||
地学 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
合計 | 48 | 50 | 50 | 50 | 40 |
見て分かるとおり『文章理解』、『数的処理』、『社会科学』の3科目の出題数が非常に多いです。教養試験では、科目ごとの出題数に大きな差があることが分かります。
以下の表は、自治体ごとの『文章理解』、『数的処理』、『社会科学』の3科目の出題数と割合です。
区分 | 出題数 | 出題割合 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
特別区 | 36/48 | 75% | ||||
方 上 級 | 地全国型 | 37/50 | 74% | |||
関東型 | 34/50 | 68% | ||||
中北型 | 35/50 | 70% | ||||
市役所 | 29/40 | 73% |
『文章理解』、『数的処理』、『社会科学』の3科目のみで約7割の出題を占めていることが分かります。極端な話をすれば、教養試験はこの3科目だけを対策しても合格できるということです。
次に主要3科目の概要を解説します。
①文章理解
文章理解は『現代文』と『英文』で構成されます。
『古文・漢文』が出題されることもありますが、出題されても最大で1問なので対策不要です。理由は時間の無駄だからです。
『現代文』も『英文』も難易度はセンター試験よりやや易しいくらいです。
現代文の対策
現代文は文章読解した上で以下のような問題が出題されます。
- 内容把握
- 要旨把握
- 空欄補充
- 文章整序
教養試験は制限時間が厳しいため、じっくりと文章を読んでいる時間はありません。センター試験と同様に、先に問題文を読んで出題の要点を絞った上で文章読解に取り掛かるのがセオリーです。
短期間で文章読解能力を劇的に伸ばすのは難しいです。対策のポイントは出題形式に慣れ、短時間で問題に取り掛かれるように準備することです。
英文の対策
英文は現代文と同様、英文を読解した上で内容把握、要旨把握をする問題が中心になります。
英文を読むためには、ある程度の語彙力と文法力は必要ですが、単語帳や文法テキストを買って一から勉強をするのは効率的ではありません。留学でもしない限り、数か月で語学能力が劇的に向上することはありません。
参考書を使用して、英文の出題形式に慣れ短時間で内容を大まかに理解して解答できるようにすることが対策のポイントになります。
②数的処理
数的処理は『判断推理』、『数的推理』、『資料解釈』で構成されます。得意不得意が分かれる科目ですが、出題数が特に多いため対策は必須です。
私は結構苦しめられました。
判断推理の対策
「判断推理」は謎解きのような問題で論理性を問う試験です。
以下に例題を示します。
- 判断推理の例題
- A~Eの 5 人か、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、麦茶のペットボトルから、それぞれ2種
類ずつ選んだ。ア~オのことがわかっているとき、確実に言えるのはどれか。
ア ほうじ茶を選んだのは 3 人、麦茶を選んだのは 2 人いたが、ほうじ茶と麦茶の両方を選んだ者は
いなかった。
イ Aはほうじ茶を選び、もう1種類はEと同じものを選んだ。
ウ Bは麦茶を選び、もう 1 種類はDと同じものを選んだ。
エ 紅茶を選んだのは1人だけだった。
オ 2 種類の組合せが同じ者はいなかった。
<選択肢>
1 Aは緑茶を選んだ。
2 Bはウーロン茶を選んだ。
3 Cは紅茶を選んだ。
4 Dは緑茶を選んだ。
5 Eはウーロン茶を選んだ。 - 答え
- 3
頭の中が混乱するかと思いますが、紙に書いて時間さえかければ誰でも正答できる問題です。
しかし、実際は1問5分以内で解かなければ他の問題にかけられる時間がありません。この時間的な制約が判断推理の難易度を大きく上げている要因です。
しかし、『判断推理』は問題のパターンがある程度決まっています。パターンと解法を一瞬で紐づけることが重要です。本番は問題を読んでからじっくり考える時間は一切ありません。
問題をみた瞬間に解法が思い浮かぶように訓練をすることが対策のポイントです。
数的推理の対策
「数的推理」は計算問題などがメインで出題されます。
- 数的推理の例題
- 4ケタの正の整数A=1000a+100b+10c+dは、A=9(111a+11b+c)+(a+b+c+d)と書ける。
これを利用し、4ケタの数6□7□が9で割り切れるときに、2つの□に入る数字の和を求めよ。
<選択肢>
1 4のみ
2 5のみ
3 8のみ
4 4または12
5 5または14 - 答え
- 5
こちらの問題も時間さえかければ難しい問題ではありません。しかし、この問題も3分程度で解かなければいけません。
計算自体は単純なものですが、普段行わない計算や、時には値の大きな数字を扱います。そういった問題に即座に対応できるよう出題パターンに慣れておくことが重要です。
本番は焦ってしまったら最後です。問題集を繰り返し解き、見慣れた問題を増やすことが超重要です!
資料解釈の対策
「資料解釈」は主に表やグラフを読み取り、正しい内容の選択肢を選ぶ問題です。
以下に例題を示します。
- 資料解釈の例題
- 次の表から確実にいえるのはどれか。
1.平成27年度において、自動車の貨物輸送量の対前年度減少量は、内航の貨物輸送量のそれの2倍より小さい。
2.表中の各区分のうち、平成29年度における輸送機関別貨物輸送量の対前年度増加率が最も大きいのは、航空である。
3.平成30年度において、鉄道の貨物輸送量の対前年度減少率は、航空の貨物輸送量のそれより小さい。
4.表中の各年度とも、内航の貨物輸送量は、鉄道の貨物輸送量の9倍を下回っている。
5.平成27年度から平成30年度までの各年度における自動車の貨物輸送量の対前年度増加量の平均は、1億5,000万トンキロを下回っている。 - 答え
- 5
このような問題も1問3分程度で解答する必要があります。
資料解釈では、表やグラフの数字を計算して正しい選択肢を探します。細かい値までは求められないので、小数点以下などは無視して大きい数字を手早く大雑把に計算する練習が必要です。
慣れない計算なので、やはり慣れは必須です。
③社会科学
社会科学は以下の内容で構成されます。
- 法律・政治
- 経済
- 社会
- 時事・社会事情
すべて文系科目なので行政保健師を受験する方は初学の人が多いと思います。
例えば、以下のような問題が出題されます。
- 法学一般
- モンテスキューの思想に関する記述として、妥当なのはどれか。
1 モンテスキューは「リバイアサン」の中で、人間は自然状態のもとでは「万人の万人に対する闘争」を生み出すので、各人は、契約により主権者に自然権を譲渡して、その権力に従うべきだとした。
2 モンテスキューは、「統治二論」の中で、政府とは国民が自然権を守るために、代表者に政治権力を信託したものであるから、政府が自然権を侵害した場合、国民には抵抗権が生じるとした。
3 モンテスキューは、「法の精神」の中で、国家の権力を立法・行政・司法の3つに分け、それぞれを異なる
機関で運用させ、相互の抑制と均衡を図る三権分立制を唱えた。
4 モンテスキューは、「社会契約論」の中で、個々人の間での契約によって1つの共同体をつくり、公共の利益をめざす一般意思を人民が担うことによって、本当の自由と平等が実現できるとする人民主権論を唱えた。
5 モンテスキューは、「諸国民の富」の中で、国家は国民が自由に活動するための条件を整備すればよく、国家の任務は国防や治安の維持など、必要最小限のものに限るという自由放任主義の国家を夜警国家と呼んで批判した。 - 答え
- 3
一見すると、思想の難しい問題のように思えます。しかし、この問題は、著書の名前だけで正答できてしまいます。モンテスキューの著書は「法の精神」です。その他は別の思想家の著書になっています。
このように、社会科学では問題文の一語一句を理解していなくても、キーワードだけで正答することが十分に可能な科目です。つまり、深い理解は必要ありません。要点を押さえた対策ができるかが重要です。
初学だと一から深く理解することは大変です。網羅的に学習している時間もありません。とにかく多くの問題に触れ、要点だけ押さえて正答できるようにするのが最も効率的です。
でも範囲が広いし、やってもきりがなさそう…
実は教養試験では同じような問題が毎年出題されています。「全く同じなのではないか」と思う問題も多いです。
参考書に掲載されている問題は、頻出問題や重要問題ばかりなので、参考書の問題を繰り返し解くことで自ずと解ける問題が増えていきます。
教養試験は「捨て科目」を作って合格する
教養試験特有の業界用語に『捨て科目』というものがあります。
教養試験は出題範囲が広く、科目によって出題数に大きな差があることから『捨て科目』という考え方が浸透しています。
- 捨て科目とは、あえて対策しない科目
- 捨て科目の具体例
- 捨て科目は余裕があれば一部の科目だけ対策する
捨て科目とは、あえて対策しない科目
捨て科目とは、「苦手だからやらない」科目ではなく、「効率が悪いからあえてやらない」科目です。
限られた勉強時間の中で、教養試験の科目に優先順位をつけ、優先順位の低い科目は対策しないか、要点を絞って対策することが重要になります。
全部やらなければと思うことはモチベーションの低下にもつながります。
捨て科目の具体例
捨て科目の具体例に印を付けてみます。
科目 / 区分 | 特別区 | 地方上級【型】 | 市役所 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 関東 | 中北 | ||||||
文章理解 | 現代文 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | ||
英文 | 4 | 5 | 5 | 5 | 3 | |||
数的処理 | 判断推理 | 10 | 10 | 7 | 10 | 8 | ||
数的推理 | 5 | 6 | 4 | 6 | 4 | |||
資料解釈 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | |||
社会科学 | 法律・政治 | 3 | 4 | 4 | 3 | 2 | ||
経済 | 1 | 3 | 3 | 3 | 1 | |||
社会 | 1 | |||||||
時事・社会事情 | 4 | 5 | 7 | 4 | 5 | |||
人文科学 | 思想 | 1 | ||||||
日本史 | 1 | 2 | 3 | 2 | 2 | |||
世界史 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
地理 | 1 | 2 | 3 | 3 | 1-2 | |||
自然科学 | 数学 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
物理 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
化学 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | |||
生物 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |||
地学 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||
合計 | 48 | 50 | 50 | 50 | 40 |
主要3科目の『文章理解』、『数的処理』、『社会科学』は配点が大きいため捨て科目には出来ません。
捨て科目にできるのは「人文科学」と「自然科学」の2科目です。
捨て科目は余裕があれば一部の科目だけ対策する
捨て科目でも無視できない出題数がある分野もあります。
例えば特別区の場合、人文科学の出題数は4問なので完全に捨てても良いですが、自然科学は8問の出題があります。
比較的出題数の多い科目については1~2問でいいので得点できるようにしておくと心強いです。捨て科目の中で、比較的得意な分野、履修したことのある分野の頻出問題や重要問題だけ対策しておけば、当日得点できる可能性が上がります。
1問でも多く得点できることは思っている以上に大きいです。
教養試験対策におすすめの参考書・問題集
教養試験対策に参考書・問題集は必須です。私が実際に使用して良かったものを紹介します。
- とりあえずコレ!地方上級 教養試験 過去問500
- 文章理解と社会科学は新スーパー過去問ゼミ
- 数的処理は新・解法の玉手箱がおすすめ
とりあえずコレ!地方上級 教養試験 過去問500
『地方上級教養試験過去問500』は過去問を厳選して掲載している問題集です。
全科目まんべんなく頻出問題や重要問題が掲載されているので、教養試験の全体像を掴むのに最適です。地方上級という名前ですが、市役所にも対応しているので市区町村を受験する人でも対策できます。
捨て科目は、他の参考書や問題集を買う必要は一切ないのでこの問題集に載っている問題だけ押さえましょう。
特別区は、特別区用の教養試験の問題集があるので、こちらを使いましょう。
文章理解と社会科学は新スーパー過去問ゼミ
『新・スーパー過去問ゼミ』は王道の公務員試験の教材・問題集です。
資料解釈は本来、数的処理の分野ですが、『新・スーパー過去問ゼミ』には文章理解と合わせて収録されています。
社会科学は、とにかく頻出問題・重要問題が多く掲載されているので、繰り返し問題を解き、知識を蓄積することで解ける問題が増えていきます。
『新・スーパー過去問ゼミ』は国家公務員試験対策にも対応しているため、やや難しめに作られています。
重要なことは、完璧に理解しようとしないことです。よく分からなくてもさらっと流して次に進んで周回してください。やっているうちに『この手の問題の答えはコレ』というものが自然に分かるようになってきます。
深く考えずに繰り返しやることがコツです。
数的処理は新・解法の玉手箱がおすすめ
数的処理は、苦手な人が多い科目です。私もなかなか短時間で解けるようにならず苦戦しました。
『新・解法の玉手箱』は、問題のパターンに合わせた最適な解法が詳しく解説されているので、繰り返し解くことで自然と解ける問題数が増えていきます。
『新・スーパー過去問ゼミ』にも数的処理版がありますが、問題の難易度が高く、解説も理解しにくいのであまりおすすめしません。
『新・解法の玉手箱』をやっても解法がパッと思いつかない問題に当日遭遇した場合は、解かないという判断をして他の問題に時間を回す方が賢明です。
数的処理は当日に解法を考えるものではありません。当日までに解法のレパートリーを増やすことがポイントです。
時間がない方、独学に不安がある人には通信講座がおすすめ
以下のような人には通信講座がおすすめです。
- 働きながら転職を考えている人
- 実習や試験で忙しい学生、大学院生
- 独学ではどうしても対策に自信がない人
公務員予備校は昔からありますが、予備校に通学する手間がかかる上、受講料が30~50万円とかなり高額です。一方で、通信講座なら数万円~10万円台で受講できるのでコスパが良いです。
保健師の公務員試験ではすべての科目を受講する必要はありません。以下の表をご覧ください。
試験科目 | 対策方法 | 通信講座 | |
---|---|---|---|
教 養 試 験 | 文章理解 | 独学・通信 | |
社会科学 | 独学・通信 | ||
数的処理 | 独学・通信 | ||
人文科学 | 独学 | ||
自然科学 | 独学 | ||
SPI | 独学 | ||
専門試験 | 独学 | ||
小論文 | 独学・通信 | ||
面接 | 独学・通信 | ||
適性検査 |
人文科学と自然科学は捨て科目として良いので、わざわざ通信講座を受講する必要はありません。
専門試験は国家試験に準じた対策で問題ありません。保健師の専門試験に対応した講座は基本的にないので独学で行うのが一般的です。
優先的に対策が必要な教養試験、小論文、面接のうち、苦手な科目や不安な科目の通信講座を単科で受講するか、コース受講して必要な科目を取捨選択するという使い方が保健師の公務員試験には最も適しています。
- コースを受講して必要な科目を取捨選択する方法
- 単科で苦手科目を受講する方法
コースを受講して必要な科目を取捨選択する方法
コースでは以下の内容を受講できます。
- 教養試験
- 小論文
- 面接
- SPI3
- カウンセリング、質問サービス
- グループワーク対策
- 回数無制限の模擬面接
非常に充実した講座内容を低価格で受講できます。
価格は数万円~10万円台なので、通信講座ならではの充実したサポートを受けながら、一括して必要な試験科目の対策を効率的に行いたいという人にはコースを受講して、必要な科目の対策を行うという方法がおすすめです。
おすすめの通信講座は『アガルートアカデミー』と『スタディング』です。どちらも公務員試験を始め、各種難関資格を取り扱う実績の高い通信講座です。
2社の詳しい解説やおすすめの講座選び、費用などについては以下の記事で徹底解説しています!
単科で苦手科目を受講する方法
複数科目がセットになっているコースは、対策できる科目やサポート、特典の割に非常に低価格ではありますが、人によっては苦手科目だけピンポイントに対策したいという人もいると思います。
アガルートアカデミーは、単科講座も用意されているので、コースを受講するまでではないけど、不安な科目の対策をしておきたいという人にはぴったりです。
特に教養試験においては、配点の大きい以下の3科目の受講がおすすめです。
- 文章理解
- 数的処理
- 社会科学
アガルートアカデミーにおける教養試験の主要3科目の単科講座を紹介します。
文章理解の通信講座は19,800円で受講可能
文章理解は教養試験全体の20~30%の出題を占める重要科目です。公務員試験では、しっかり対策しておけば文章理解は安定して得点できる科目です。
文章理解対策の通信講座は以下の内容で構成されています。
- 動画講義 約合計8時間(▶動画講義サンプルを観る)
- 教材(▶講義レジュメのサンプルを見る)
- 価格は19,800円(税抜)/(税込21,780円)
数的処理の通信講座は34,800円で受講可能
数的処理は公務員試験における最重要科目であり出題数がかなり多いです。一方で、難易度が比較的高いため独学に難しさを感じる受験生も多いです。
問題の解法のみならず、数的処理という分野に本番どんな戦法で臨むのかというノウハウも学ぶことができ、数的処理を確実に得点源とすることができるようになります。
苦手意識が非常に強い受験生向けに入門編も用意されています。
数的処理対策の通信講座は以下の内容で構成されています。
- 動画講義 約14時間(入門編は約7時間) (▶動画講義サンプルを観る)
- 教材3冊(入門編は1冊) (▶講義レジュメサンプルを見る)
- 価格は34,800円(税抜)/(税込38,280円)
- 入門編価格は14,800円(税抜)/(税込16,280円)
社会科学の通信講座は19,800円で受講可能
社会科学は知識を問う問題がメインになります。そのため、知っておけば解ける問題がほとんどです。しかし、範囲が広いので対策に悩む受験生が多いです。
出題範囲は広いですが出題される問題は限定的です。通信講座では繰り返し出題されている頻出問題と重要問題を取り扱っているため、効率的に社会科学を得点源にすることができます。
社会科学対策の通信講座は以下の内容で構成されています。
- 動画講義 約20時間(▶動画講義のサンプルを観る)
- 教材(▶講義レジュメのサンプルを見る)
- 価格は19,800円(税抜)/(税込21,780円)
まとめ
教養試験対策の要点は以下のとおりです。
- 出題範囲と科目ごとの出題数を把握しよう
- 対策は必須!6割を目標に対策しよう
- 文章理解・数的処理・社会科学は必ず対策しよう
- 捨て科目は得点できるところだけ対策しよう
- 「地方上級 教養試験 過去問500」で網羅的に勉強し、「新・スーパー過去問ゼミ」と「新・解法の玉手箱」で補強しよう
- 時間がない、独学が不安な場合は通信講座を利用すると効率的に対策できる
教養試験は出題範囲が非常に広いため、誰もが対策に苦労する科目です。
どの分野にどれくらいの時間と労力をかけたかによって当日の得点は大きく変わります。自分に合った方法で効率的に学習を進めて合格ラインを突破できるようにしましょう。