- 病院で看護師として働くのはもう疲れた…
- 看護師を辞めて違う仕事がしたい!
- でも転職先はどうしよう…
- 具体的な転職手順が知りたい!
人間関係や責任感、不規則な勤務体制で悩む看護師は多いです。
本記事では、看護師を辞めて違う仕事に転職する理由や転職先、転職手順について解説します。転職は、新たな可能性を広げます。人間関係のリセットやストレスからの解放、身体的負荷の軽減など、メリットはさまざまです。
看護師としての経験を活かせる転職先も数多く存在します。看護師としての経験を活かし、勇気を持って一歩を踏み出したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
病院での看護師を辞めて違う仕事に転職を考える理由
看護師を辞めて違う仕事に転職を考える理由として、下記の4点を解説します。
- 人間関係の悩み
- 責任感の大きさやプレッシャー
- 夜勤や残業の多さ
- 労働に対する給与の不満
人間関係の悩み
職場における人間関係の悩みは、多くの看護師が直面する問題です。上司や同僚との関係性のストレスは、仕事へのやる気に影響します。
具体的な問題は、下記のとおりです。
- チームワークの欠如
- パワハラや嫌がらせ
- 先輩からの厳しい指導
- 医療スタッフとのコミュニケーション
上記の問題は、看護師の精神的な負担を増大させ、仕事への意欲を低下させます。
特に新人看護師は、サポート不足や職場での孤立感を感じる場合もあります。患者との関係性も、看護師にとって大きなストレスです。
人間関係なくしては成り立たない仕事なので、他者との関係性で悩む人が多いです。
責任感の大きさやプレッシャー
看護師は患者の命を預かるため、常に緊張感を持って業務に取り組まなければいけません。
看護師の責任の重さは、精神的な負担が大きいです。経験の浅い看護師は、理想と現実のギャップに悩むことも多いです。緊急時には素早い対応が必要となるため、常に心の準備をしておかなければいけません。
医療訴訟のリスクへの不安も、看護師の重圧となる場合があります。
医療の進歩に伴い、継続的な学習や技術の更新も欠かせません。看護師にはさまざまな責任やプレッシャーが重なるため、心身ともに疲れやすいです。
夜勤や残業の多さ
看護師の離職理由として、夜勤や残業の多さも挙げられます。多くの看護師が、不規則な勤務体制や長時間労働によるストレスを抱えています。
具体的な課題は、下記のとおりです。
- 夜勤による生活リズムの乱れ
- 長時間労働による疲労の蓄積
- 休日出勤の多さ
- 慢性的な残業
- シフト制による私生活への影響
上記の問題は、看護師の心身の健康や生活の質を低下させます。
夜勤による睡眠障害のリスクが高まると、家族との大切な時間も少なくなります。人員不足により1人当たりの業務負担が増加しているため、夜勤明けの日中勤務や連続夜勤も珍しくありません。夜勤や残業が多くなると、燃え尽き症候群のリスクも高まります。
ワークライフバランスを保つことに苦心しているため、転職を検討する看護師が増加しています。
労働に対する給与の不満
給与に関する不満は、多くの看護師が抱える問題です。看護師の仕事は責任が重いにもかかわらず、給与水準は労働の厳しさに見合っていません。
看護師の給与に関する不満は、下記のとおりです。
- 労働時間と給与のバランスが悪い
- 夜勤や休日出勤に対する手当が足りない
- 経験や資格に見合った昇給がない
- 他の職種と比べて給与が低い
- 残業代が適切に支払われない
上記の状況が続くと、看護師を目指す人が減少します。看護師の待遇改善は、患者に適切なケアを提供するためにも重要な課題です。
平均年収よりは高いですが、責任や業務内容を考えると割に合わない給与だと言われるのは事実です。
病院で看護師を辞めて違う仕事に就くメリット
病院で看護師を辞めて違う仕事に就くメリットとして、下記の3点を解説します。
- 人間関係のリセット
- 責任感やストレスからの解放
- 身体的負担の軽減
人間関係のリセット
看護師を辞めて違う仕事に転職すると、人間関係のリセットが可能です。
新しい職場ではこれまでの人間関係による悩みから解放され、自分らしく働ける環境を手に入れられます。今までとは異なる人々と出会い、視野が広がるのも、転職するメリットです。
さまざまな考え方に触れる機会が増えるため、コミュニケーション能力も高まります。人間関係をリセットすれば、仕事のやりがいも取り戻せます。
転職は自分自身を見つめ直し、新しい環境で成長するチャンスです。人間関係で悩んでいる方は、転職も視野に入れましょう。
私自身、何度も転職していますが、対人スキルやPCスキルが身に付き、視野が大きく広がりました。
責任感やストレスからの解放
看護師から他の職業に転職すると、責任感やストレスから解放されます。患者の命に直結する責任から離れると、精神的な負担が大幅に軽減されます。
具体的に解放されるストレスは、下記のとおりです。
- 完璧を求められるプレッシャーからの解放
- 医療ミスのリスクや不安からの解放
- 緊急時の対応からの解放
- クレーム対応からの解放
病院での看護師から他の職場に転職すると24時間体制で働かずに済むため、プライベートの時間を気兼ねなく過ごせるのも魅力です。
最新の医療知識を求められるプレッシャーからも解放され、精神的な負担が軽減し、心に余裕が生まれます。
身体的負担の軽減
看護師から別の職業へ転職すると、身体的負担の軽減も可能です。
身体的負担が軽減される主な要因は、下記のとおりです。
- 夜勤や不規則な勤務形態からの解放
- 長時間労働や過度な残業の減少
- 立ち仕事や重労働の軽減
- 感染症や医療事故リスクからの解放
上記の変化により、例えば不眠や頭痛、胃腸障害などが改善される可能性があります。
休暇も取りやすいため、十分な休養時間の確保も可能です。妊娠や出産、育児との両立もしやすいため、ライフステージに合わせた働き方を選択できるのもメリットです。
病院看護師は出産ぎりぎりまで働いている人も多く、出産後すぐに復帰するという人も珍しくありません。
看護師の経験や資格を活かせるおすすめの転職先は、下記をご覧ください。
- 訪問看護
- 産業看護師
- 助産師
- 保健師
- 検診・健診センター・献血ルーム
- 介護福祉士・ケアマネージャー
- 看護学校の教官・教員・講師
訪問看護
訪問看護は、病院で働く看護師の転職先として注目されています。
患者の自宅で看護サービスを提供する訪問看護は、病院とは異なる環境で経験や技術を活かせます。訪問看護のメリットは、患者と深い関係性を築けたり、柔軟に勤務できたりとさまざまです。ただし、訪問看護でも24時間対応が求められるため注意してください。
当番制で緊急対応の電話を持つことが多いです。
訪問看護では、医療機関との連携が求められるため、優れたコミュニケーション能力も必要です。病院で日々多くの職種とコミュニケーションをとっている経験を生かすことができます。
産業看護師
産業看護師は、企業や団体で働く従業員の健康を守る専門家を指します。病院の看護師とは異なり、夜勤がなく土日祝日が休みです。
産業看護師の仕事は、下記のとおりです。
- 健康診断の実施
- メンタルヘルスのサポート
- 職場環境の確認
- 健康的な生活習慣のアドバイス
産業看護師は従業員の病気を未然に防ぎ、健康を維持・向上させることに重点が置かれます。従業員の健康管理だけでなく、会社の経営者に対しても健康に関する助言を行います。
近年は健康経営の概念が浸透しつつあるので、少しずつ需要が生まれてきています。
看護の経験を活かしながら、新しい知識やスキルを身に付けられるのが産業看護師の魅力です。
産業看護師はまだまだ一般的な職種とは言えず、地方では求人が少なかったり給与水準が低かったりという課題があります。しかし、経験を積めば大手企業への転職などステップアップも臨めるため挑戦してみる価値は大いにあります。
助産師
助産師は、看護師としての経験を活かしつつ、より専門的な分野で活躍できる職業です。
助産師は、妊娠期から出産、産後までの一連のケアを行います。具体的な業務内容は、母子の健康管理や指導、新生児のケアなどが含まれます。助産師の仕事には、医療と助産の専門知識が欠かせません。
産前産後の母親への精神的サポートも、助産師の業務です。病院勤務や開業など、さまざまな働き方を選択できるのも助産師の特徴です。ただし、助産師は夜間や休日の対応が多いので注意してください。医療の進歩に合わせて、継続的な学習と技術向上も求められます。
助産師になるためには、助産師国家試験にも合格する必要があります。助産師の免許を持っていない場合は、学校に入り直して助産師過程を受講する必要もあるので、ややハードルが高いです。
しかし、看護師の経験を活かしながら妊産婦や新生児ケアなどの新たなキャリアを築きたい方は、助産師もおすすめです。
保健師
保健師は、地域住民の健康を守る専門職です。
看護師から保健師へ転職すると、看護師とは違った視点で健康への介入ができるため新たなやりがいを見つけられます。保健師の主な仕事は、健康診断や予防接種の実施、保健指導などです。
保健師の仕事の特徴は下記のとおりです。
- 保健所や保健センターで働く
- 基本的に夜勤がなく、土日祝日が休み
- 幅広い年齢層の地域住民を対象にする
保健師になるには看護師資格だけでなく、保健師の国家資格も必要です。予防医学や公衆衛生学の分野に興味がある方は、保健師も転職先として考えましょう。
私は看護師から行政保健師に転職した経験があります。病院とは全く違った環境や視点で働くことができるのは魅力的です。
検診・健診センター・献血ルーム
検診・健診センター・献血ルームでは夜勤がないため、ワークライフバランスを取りやすいです。
業務内容は、定期健康診断や人間ドックの実施、献血者の健康チェックなどです。病院勤務より患者との関わりは短いですが、前向きに仕事ができます。
検査技師や放射線技師などとの連携も必要なため、チームワークを大切にできる方におすすめです。企業の健康管理室などでも勤務できるため、キャリアの幅も広げられます。
介護福祉士・ケアマネージャー
看護師からの転職先として、介護福祉士やケアマネージャーもあります。
介護福祉士やケアマネージャーは、医療と介護をつなぐ上でも大切な仕事です。介護福祉士は、高齢者や障害者の日常生活を支援する専門職です。看護師としての経験は、利用者の健康管理や医療的ケアに役立ちます。
ケアマネージャーは、利用者の生活を考慮したケアプランを作成します。介護福祉士やケアマネージャーに転職するメリットは、下記のとおりです。
- 規則的な勤務形態で夜勤がない
- 身体的負担が軽減される
- 利用者と長期的に関われる
- チームケアの中心として活躍できる
ただし、介護福祉士やケアマネージャーになるためには、新たな資格を取得しなければいけません。介護保険制度への深い理解や高いコミュニケーション能力も求められます。
看護学校の教官・教員・講師
看護学校の教官や教員、講師でも、看護師としての経験を活用できます。
教育に関連するキャリアアップの構築も可能です。専門知識を深めたり、教育スキルを磨いたりすると、自身の成長にもつながります。
教官や教員、講師には夜勤がないため、比較的規則正しい生活を送れます。長期休暇も取得しやすいのも特徴です。
学生の成長を見守る喜びを感じられるのも、看護学校に転職するメリットです。ただし、臨床現場とは異なるストレスもあるため注意してください。教員免許や修士号など、追加の資格が必要になる場合もあります。
大学や専門学校の教員は臨床現場から転職してきた人たちがほとんどです。
看護師を辞めて違う仕事に転職する手順
看護師を辞めて違う仕事に転職する手順は、下記のとおりです。
- なぜ看護師を辞めたいのかを明確にする
- 転職サイト・エージェントを選ぶ
- 必要な書類(履歴書・職務経歴書)を用意する
- 企業に応募する
- 面接を受ける
- 内定が出たら現職の退職手続きを進める
①なぜ看護師を辞めたいのかを明確にする
看護師を辞めたい理由を明確にすると、将来に向けてより良い決断ができます。
最初に、下記の具体的な不満点をリストにしてください。
- 職場の人間関係
- 責任の重さ
- 夜勤の負担
- その他、日々感じている課題
具体的な不満点を列挙すると、改善点がはっきりします。次に、現在の職場環境で改善できるかを検討してください。上司や同僚との話し合いで解決できる場合もあります。
根本的な改善が難しい場合は、転職を考えましょう。自分のキャリアの再確認も大切です。
看護師としての将来像や目指したい方向性を明確にすると、現在の仕事とのギャップが見えます。転職後に求める環境や条件も具体的に考えてください。自身の強みや弱みを分析するのもおすすめです。看護師以外の職種への興味や適性を探るのも、選択肢を広げるのに役立ちます。
家族や友人に相談し、結果を整理することも大切です。客観的な意見を踏まえて、自分では気付かなかった視点を得られます。
②転職サイト・エージェントを選ぶ
看護師の転職を成功させるには、適切な転職サイトやエージェントを選ぶことも大切です。
看護師専門の転職サービスを利用するのをおすすめします。看護業界の特性や求人情報に精通しているため、より的確なサポートが得られます。ただし1つのサービスに絞らず、複数の転職サイトやエージェントを比較検討してください。
転職サイトやエージェントを選択する際のポイントは、下記のとおりです。
- 求人数の多さ
- 対応の丁寧さ
- 非公開求人の有無
- 履歴書・職務経歴書の添削サービス
- 面接対策のサポート
- 利用料金
- 口コミや評判
病院での看護師以外の職種への転職支援も行っているかも確認しましょう。
エージェントの経験や専門性も、大切な選択基準です。紹介したポイントを踏まえて、転職サイトやエージェントを選ぶと、スムーズに転職活動を行えます。
③必要な書類(履歴書・職務経歴書)を用意する
転職活動を成功させるには、履歴書と職務経歴書の準備も必要です。
履歴書と職務経歴書は、経験や能力を効果的に伝えるための重要な書類です。職務経歴書では、看護師としての経験や実績を詳細に記載します。具体的には、担当した診療科や病棟、看護技術の経験などを明確に記述してください。
志望動機や自己PR、資格も記載し、誤字脱字や記入漏れがないかを確認することも重要です。必要に応じて、看護師免許証のコピーも用意してください。
自分がどんな人で、どんな経験をしてきたのかを文章で伝えられる工夫が必要です。
電子データでの提出が求められる場合は、PDFなどのフォーマットで提出しましょう。
④企業に応募する
転職活動を成功させるためには、希望する職種や業界を絞り込んでください。
看護師としての経験を活かせる職種を探すのをおすすめします。複数の求人に応募すると、選択肢を広げられます。企業研究も大切です。応募先の会社の特徴や求める人材像を把握すると、面接時に自分の強みをアピールできます。
応募の際は、下記の点に注意してください。
- 締め切りの確認
- 応募後のフォローアップ
- 不採用の場合のフィードバック依頼
- 面接日程の調整
- 応募状況の進捗管理
上記の点に気を付けながら応募を進めると、効率的に転職活動を行えます。
⑤面接を受ける
面接は転職活動において最も重要です。面接官に好印象を与え、自分の経験や能力をアピールしてください。
面接を成功させるための重要ポイントは以下のとおりです。
- 清潔な服装と身なり
- 志望動機や自己PRを明確化して簡潔に説明できる準備をしておく
- 自分の強みと、新しい職場で生かせる能力を具体的に伝える
- 前向きな転職理由を伝える
質問に対しては誠実に答え、わからなければ素直に伝えてください。面接中は面接官の話を良く聞き、適切なタイミングで相槌を打つことで好印象を与えられます。
年度途中に転職活動をしており、もともと個別に人事課とやり取りをしていた場合はお礼のメールを送ると好印象です。
⑥内定が出たら現職の退職手続きを進める
内定が決まったら、速やかに現職の退職手続きを進めてください。
最初に師長に退職の意向を伝え、退職届を提出します。退職日を決め、引き継ぎの計画を立てましょう。退職に向けた具体的な手順は、下記のとおりです。
- 有給休暇の消化を検討する
- 退職金や社会保険の手続きを確認する
- 必要な書類の発行を依頼する
- 挨拶の計画を立てる
個人の持ち物の整理や会社の物品の返却も忘れずに行ってください。最終出勤日までにすべての業務を完了させ、退職日に必要な手続きを漏れなく行うことが大切です。
スムーズに退職が可能な場合は、総務課で必要な手続きはすべて教えてくれます。
師長に内緒で転職活動をしており、突然退職を伝えなければならない人もいます。このような場合、思うように退職させて貰えないということもあります。どうしても退職させて貰えない場合は退職代行を使うのも手です。
まとめ
看護師からの転職は大きな決断ですが、同時に新たな可能性を切り開きます。
職場の人間関係が改善したり、ストレスが軽減されたりといった変化が期待できます。病院看護師としての経験を活かせる転職先も多いため、自分に合った仕事を見つけやすいです。
転職を考える際は、慎重に進めてください。転職活動をすると、充実した新しい仕事を見つけられます。自分自身の幸せと成長のために、勇気を持って一歩を踏み出しましょう。