- 看護師の今の給料が少ないと感じる…
- 将来的に今の収入では不安…
- 看護師が給料アップするための方法はある?
「看護師は大変な仕事の割に給料が見合っていない」と悩む人は多いです。人並み以上の給料が貰える職業であることは事実ですが、責任の重さや肉体的・精神的負担の大きさに比べ、待遇が見合っていないと感じるのも無理はありません。
この記事では、看護師の給料が割に合わないと言われる理由や実態、給料アップの方法を解説します。給料を上げるためには、スキルアップや転職が有効です。この記事を読むと、給料を上げる具体的な方法がわかります。
看護師の給料が割に合わないと言われる理由
看護師の給料が割に合わないと言われる理由は以下のとおりです。
- 命に関わる仕事で責任が重い
- 肉体的・精神的な負担が大きい
- 夜勤や残業が多い
- なかなか昇格しない
命に関わる仕事で責任が重い
看護師の仕事は患者の命を預かる重要な役割があります。毎日緊張の連続で、ささいなミスも許されません。仮に薬の投与を間違えると大きな問題に発展する可能性があります。
医療事故が起きた場合には、訴訟にまで発展する重圧を背負って働いています。大きな重責を担っているのに、給料が見合っていないと感じることも理解できます。
肉体的・精神的な負担が大きい
看護師の仕事は体も心も使う重労働です。患者の体を支えたり重い機械を動かしたりと、体力勝負の毎日です。
患者や家族の心のケアも、楽な仕事ではありません。12時間の夜勤をこなした後、すぐに日勤に入る場合もあります。過酷なシフトをこなしているのに、給料が十分でないと感じるのも当然です。
正直、看護師ほどのマルチプレイヤーな医療職は他にありません。
夜勤や残業が多い
看護師の仕事で避けられないのが、夜勤や残業です。病院は24時間365日休みなく動いているので、夜も働かなければいけません。夜勤手当はつくものの、生活リズムが乱れるデメリットは大きいです。
残業も他の職種と比べて多く、患者の容体が急変したり記録作業が終わらなかったりして、定時で帰れない日が日常です。夜勤や残業の多さに比べて、報酬が十分でないと感じるのは仕方ありません。
休日も日々の疲れを取るだけで精一杯で、十分な休息が得られないことも多いです。
なかなか昇格しない
看護師のキャリアアップへの道は意外と難しいです。経験を積んでも、なかなか昇格のチャンスが得られません。
その理由は、役職の少なさと看護師の数の多さにあります。主任、副看護師長、看護師長になれるのは限られた一部の人だけです。役職につくには長年の経験と特別なスキル、上層部との関係性なども必要です。
実は、キャリアを積んでも給料はあまり上がりません。定期の昇給は1年に数千円程度なので、10年働いても新人の頃と大して変わらない給料である場合も多いです。昇格のチャンスが少ない点や、キャリアに見合った給料上昇がない点が「割に合わない」と感じる理由の1つです。
看護師の給料の実態
看護師の給料には、以下のような実態があります。
- 専門職なので高めに設定されている
- 高年収の職場も存在するが条件が厳しい
専門職なので高めに設定されている
看護師の給料は一般職と比べると高めです。国家資格を持つ専門職なので、比較的高めの報酬があります。新卒の看護師の平均月給は約26万円であり、同年代の一般職と比べるとかなり高めです。
しかし、仕事内容や責任の重さを考えると、十分な報酬とは言えない部分もあります。夜勤手当や残業代を含めても、月給35万円程度(手取りでは30万円以下)です。命を預かる仕事としては決して高くはないです。
高年収の職場も存在するが条件が厳しい
看護師の中でも、給料が高い職場があります。大学病院や大規模な総合病院では、比較的高い給与水準が設定されている場合が多いです。また、都市部の病院は、地方に比べて給料が高い傾向にあります。
高給の職場は競争率も高く、誰もが簡単に就職できるわけではありません。給料の高い職場はありますが、就職するのは難しいのが現実です。
私は大学病院で働いていましたが、都市部ではなかったので給料は決して良くはありませんでした。
看護師の給料が割に合わないと感じたときの対処法
看護師の給料が割に合わないと感じたときの対処法は以下のとおりです。
- 残業代などの手当が正当かどうか確認する
- 自分自身のスキルアップを目指す
- 給料条件が良い職場へ転職する
残業代などの手当が正当かどうか確認する
自分の給料明細をしっかりチェックしてみましょう。残業代や夜勤手当が正確に計算されているか確認することが大切です。まず、1時間の残業につき、基本給の25%増しの手当が付いているかどうかを計算してください。
もし「おかしい」と感じたら、遠慮せずに人事部門や上司に相談してみましょう。「先月の夜勤手当が少ないように感じるのですが、計算方法を教えていただけますか?」と、丁寧に尋ねましょう。
正当な報酬を受け取ることは、働く人の権利です。自分の給料をしっかり理解し、必要に応じて主張する勇気を持ちましょう。
ブラックな職場であればあるほど残業代が正当に支払われていないことが多いです。
自分自身のスキルアップを目指す
給料アップの近道は、自分自身のスキルアップです。専門看護師や認定看護師の資格を取得すると、給料が上がる可能性が高いです。専門看護師になると、月給が5万円程度上がるケースもあります。
ただし、専門看護師や認定看護師になるためには大学院に通う学費も時間も労力もかかります。単純に給料アップのためだけで目指すのはモチベーション維持の観点からもおすすめはできません。
新しい医療技術を学んだり、管理職に必要なスキルを身に付けたりするのも効果的です。院内の勉強会に参加し、オンラインで看護管理の講座を受講しましょう。
すぐに給料アップにつながらなくても自己投資は無駄にはなりません。スキルアップは自分の市場価値を高め、より良い条件の職場に移るチャンスにもつながります。
給料条件が良い職場へ転職する
思い切って転職を考えるのも1つの選択肢です。大学病院や大規模総合病院、都市部の病院では比較的高い給与水準が設定されている場合が多いです。
転職を考える際は給料だけでなく、労働環境や福利厚生なども含めて総合的に判断しましょう。
給料は少し低くても有給休暇が取りやすかったり、子育て支援制度が充実していたりする職場もあります。自分にとって何が大切かをよく考えて、理想の職場を探しましょう。転職サイトを利用すれば、自分に合った求人情報を効率よく集められます。
看護師が給料アップを目指す方法
看護師が給料アップを目指す方法は以下のとおりです。
- 夜勤の回数を増やす
- 専門看護師や認定看護師の資格を取得する
- 昇進して管理職を目指す
- 副業で収入を増やす
- 給料が高い職場へ転職する
夜勤の回数を増やす
夜勤の回数を増やすことは、即効性のある給料アップの方法です。
多くの病院では、夜勤手当が通常の1.5〜2倍程度に設定されています。1回の夜勤で1万円の手当が付く場合、月に5回の夜勤をこなせば5万円の収入増が見込めます。
夜勤を増やすことは、体力的にも精神的にも負担が大きいため注意しましょう。自分の健康状態をよく見極めて、無理のない範囲で取り組むことが大切です。夜勤を増やす前に、職場や上司と十分な話し合いをすることも重要です。夜勤の増加が自分のキャリアプランや生活リズムに合うか慎重に検討しましょう。
専門看護師や認定看護師の資格を取得する
専門看護師(CNS)や認定看護師(CN)の資格取得は、キャリアアップと給料アップの両方を実現できる方法です。専門看護師になると、月給が3〜5万円程度上がるケースが多いです。認定看護師の場合も、同様に給料アップが期待できます。
専門看護師になるためには、大学院修士課程を修了し、3年以上の実務経験が必要です。認定看護師は6か月以上の研修と5年以上の実務経験が求められます。資格取得には時間と労力がかかりますが、長期的に見れば、投資する価値は大きいです。
資格取得後により専門的な知識と技術を活かせる職場に移ることで、給料アップの可能性が広がります。大学病院や専門病院では、専門・認定看護師の需要が高く、相応の待遇を提供しているところが多いです。
専門や認定の資格を持っている看護師は完全に売りて市場にあると言えます。
昇進して管理職を目指す
管理職への昇進は、給料アップの大きなチャンスです。看護師長や副看護部長、看護部長といった役職に就くと、基本給の大幅な増加が見込めます。看護師長になると、管理職手当が10万円以上つくケースもあります。
管理職を目指すためには、リーダーシップスキルや組織マネジメント能力の向上が不可欠です。日々の業務で積極的に責任ある立場を引き受けたり、院内外の研修に参加したりすることで、必要なスキルを磨けます。
管理職には大きな責任が伴いますが、やりがいも大きいです。チーム全体のパフォーマンス向上や若手看護師の育成など、より広い視点で医療に貢献できます。給料アップだけでなく、キャリアの充実度も格段に上がります。
患者対応ではなく、看護師の育成や教育に関心のある人には管理職は向いていると言えます。
副業で収入を増やす
副業は、本業の給料をアップさせる直接的な方法ではありませんが、総収入を増やす効果的な手段です。看護師の知識と経験を活かせる副業には、さまざまな選択肢があります。
医療系のブログやWEBライターは、比較的取り組みやすい副業の1つです。医療知識を活かしつつ、自宅で時間を有効活用できる点がメリットです。オンラインの健康相談や医療通訳なども、需要の高い副業として注目されています。
副業を始める前に、現在の職場の就業規則で副業が許可されているか確認しましょう。副業が本業に支障をきたさないか慎重に検討する必要があります。場合によっては、上司や人事部門に相談し、了承を得てから始めることが賢明です。
副業は単に収入を増やすだけでなく、新しいスキルの習得やネットワークの拡大にもつながります。長期的なキャリア形成の観点からも、副業経験は有益な場合が多いです。
給料が高い職場へ転職する
給料アップを目指す最も直接的な方法は、より高給の職場への転職です。
看護師の需要は高く、条件の良い求人は常に存在します。大都市圏の大規模病院や専門性の高い医療機関では、高い給与水準を提示しているところが多いです。
転職を考える際は、給料だけでなく総合的な待遇を比較することが重要です。基本給や各種手当、賞与、福利厚生、勤務時間、休暇制度などを詳細に検討しましょう。給料は少し低くても、ワークライフバランスが取りやすい職場の方が長期的には満足度が高い場合もあります。
転職活動を始める前に、自身のキャリアゴールを明確にすることが大切です。単に給料が高いだけでなく、自分の専門性を活かせたり、やりがいを感じられたりする職場を探すのがおすすめです。長期的な満足度と収入の両方を高められます。
転職エージェントの利用も効果的です。看護師専門のエージェントは、市場動向や各医療機関の特徴に詳しく、個々のニーズに合った求人を紹介してくれます。給与交渉のサポートなども受けられるため、より良い条件での転職を実現しやすいです。
看護師が転職で失敗しないためのポイント
看護師が転職で失敗しないためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 離職率が高くないか確認する
- 給料の内訳を確認する
- 転職先の雰囲気を自分の目で見る
離職率が高くないか確認する
転職先を選ぶ際には、離職率が重要な指標です。離職率が高い職場は、労働環境や人間関係に問題がある可能性が高いです。年間の離職率が15%を超える職場には注意しましょう。
離職率を確認する方法は、転職サイトや口コミサイトの情報を参考にするほか、面接時に直接質問することが効果的です。「看護師の平均勤続年数はどのくらいですか?」などの質問を通じて、職場の実態を把握できます。
高い離職率は職場に何らかの問題があるサインです。離職率だけでなく離職の理由も確認しましょう。低い離職率は職員の満足度が高く、長く働きやすい環境であることの証拠です。
給料の内訳を確認する
転職時に提示される給与額が魅力的に見えても、実際の手取り額は想像以上に少ない場合があります。給料の内訳を詳細に確認することが重要です。
基本給、各種手当、賞与などの構成を明確に把握しましょう。賞与の支給回数や金額は重要なポイントです。
基本給と変動給の割合に注意してください。基本給が低く、夜勤手当や残業代で総額を調整している場合には、実際の労働時間が長い可能性があります。その他、住宅手当や退職金制度の有無や内容も確認しましょう。
給与明細のサンプルを請求すると、給料の実態を把握できます。実際の控除額や手取り額を事前に確認すれば、生活設計がしやすいです。転職後に「思っていたより給料が少ない」といった事態を避けるためにも、細かい確認が欠かせません。
転職先の雰囲気を自分の目で見る
転職先の雰囲気を直接確認することは、ミスマッチを防ぐ重要なステップです。面接や見学の機会を最大限に活用し、実際の職場環境を観察しましょう。
職場の雰囲気を判断する際は、以下の点に注目してください。
- スタッフの表情や態度
- 患者との接し方
- スタッフ間のコミュニケーション
- 施設や設備の状態
- 忙しさの程度
可能であれば、現職のスタッフと直接話をする機会を設けることが理想的です。見学では単に見るだけでなく、積極的に質問することが大切です。「チーム内でのコミュニケーションはどのように行われていますか?」といった具体的な質問を準備しましょう。
職場の雰囲気は給料と同じくらい重要です。良好な人間関係や働きやすい環境は、長期的な職場満足度に大きく影響します。自分の価値観や働き方と合致しているか慎重に見極めましょう。
転職希望先に知り合いがいればラッキーです。職場環境や給料のことなど、しっかり調査してから転職に踏み切りましょう。
まとめ
看護師は社会的に重要な職業です。適切な評価と報酬を受けるためには、自身の価値を高め、適切に主張する姿勢が必要です。キャリアアップと給料アップは、決して遠い目標ではありません。日々の努力と戦略的な行動で達成することが可能です。
給料以外の要素も大切にしましょう。やりがいや職場の人間関係、ワークライフバランスなど、金銭では測れない価値も、看護師の仕事には多いです。
自分にとって本当に大切なものは何かを見極め、充実したキャリアを築いてください。看護師が適切な評価と報酬を受け、やりがいを持って働ける社会の実現を願っています。