- 退職代行における即日退職って何?
- 即日退職するためにはどうすれば良い?
- 即日退職する際の注意点はある?
退職代行の利用を検討している人は「即日退職」という言葉を目にすると思います。
「即日退職」とは、退職の申し入れをした当日に会社の雇用契約を終了させる退職方法のことです。実は、この意味を誤った使い方をしている退職代行業者も多いです。
「即日退職」という言葉の意味を正しく理解していないと、今の会社を退職できていないのに次の会社に入職してしまうというトラブルが起こるリスクがあります。
この記事では、即日退職とは何なのか、即日退職する方法や具体的な流れ、注意点を解説します。最後まで読めば、即日退職について正しく理解でき、スムーズな退職が可能になります。
即日退職とは依頼した当日に会社から籍を抜くこと
即日退職とは、退職の意思を伝えた当日に会社との雇用契約を終了させることです。つまり、退職代行業者が、代行を行った日と退職日を一致させる退職方法です。本来、労働者が退職できる日は、退職の申し入れを行ってから2週間後です。しかし、この2週間は有給消化や欠勤を組み合わせて埋めるので、出勤する必要はありません。
「会社に籍は残っているけど、退職日まで一度も出勤しなくて良い」ので実質的に退職したも同然=即日退職という意味で即日退職という言葉を使っている業者が多いです。
即日退職は退職の申し入れと異なり、こちらの一方的な主張だけでは実現しません。会社側が合意した場合のみ2週間を待たずに雇用契約を終了させることができます。
例外を除き、会社が拒否した場合には退職日は2週間経過後です。
誤解していると何が問題?
どちらの退職方法でも、退職の申し入れをした日から出勤する必要がないという点は一緒です。しかし、会社にまだ籍が残っているのに次の会社へ入職してしまうと二重雇用になってしまうので、トラブルになるリスクがあります。
退職代行で即日退職する方法
注意点
「退職の申し入れから一度も出勤せずに退職できればそれで良い」という人がほとんどだと思うので、この記事における「即日退職」という言葉は「実質的な即日退職」と読み換えてください。
退職代行で即日退職を実現するためには、いくつかの方法があります。事前の準備と注意点を理解しましょう。
- 有給休暇の消化を利用する方法
- 欠勤扱いで即日退職する方法
- やむを得ない事情を理由に即日退職する方法
有給休暇の消化を利用する方法
有給休暇の消化を利用する方法は、退職をスムーズに進めるために有効です。有給休暇を利用することで、給与を受け取りながら退職手続きを進められます。具体的な手順は以下のとおりです。
- 有給休暇の残日数を確認する
- 退職代行業者に希望する退職日を伝える
- 退職代行業者に有給消化の希望を伝える
以下は、有給休暇の残日数による退職日までのパターンです。
- パターン①有給残日数:38日
- 有給が38日残っている場合、退職日を38日後にして38日分をすべて有給消化します。
- パターン②有給残日数:38日
- 会社側が38日も雇用を継続できないとした場合、退職日を14日後にして14日分の有給を消化します。残りの24日分は未消化のまま退職します。弁護士の場合、買い取ってもらうように交渉できる場合もあります。
- パターン③有給残日数:14日
- 14日後を退職日として、その分をすべて有給消化します。
- パターン④有給残日数:7日
- 14日後を退職日として、7日分の有給を消化して残りの7日は欠勤扱いにします。
退職代行を利用すると、煩雑な手続きを代行してもらえ、精神的な負担の軽減が可能です。有給休暇中に退職手続きを進め、最終的には退職日をもって正式に退職できます。
計画的に有給消化すると、退職までの期間を有効活用できます。ストレスを軽減しながら円滑に退職手続きを進めましょう。
欠勤扱いで即日退職する方法
有給が付与される前であったり、残りの日数が0日の場合は、退職日までの期間を欠勤扱いにして退職することもできます。
欠勤は休職とは違い、証明書の提出等の特別な条件が求められることはありません。欠勤は有給消化とは異なるため、休んだ分の給与は支払われない点に注意しましょう。
退職代行を利用すれば、有給の残日数と退職日を考慮して欠勤扱いとする日数を計算して会社に伝えてくれるため、実質的な即日退職が可能になります。
無断欠勤になるのか?
なりません。通常、職場への連絡なしに欠勤した場合は無断欠勤になりペナルティが課される可能性がありますが、退職代行業者が退職の申し入れするのと同時に、あなたの欠勤の意思を伝えるので無断欠勤にはなりません。
やむを得ない事情を理由に即日退職する方法
即日退職は通常、会社との合意が必要ですが、やむを得ない事情がある場合には退職の申し入れ日を退職日とすることができます。やむを得ない事情とは以下のようなものです。
- 健康上の問題
- 家族の急病や介護など家庭の問題
- 職場の規約・契約違反
- 職場でのハラスメント
- 災害や事故
上記の理由があれば、退職の申し入れから2週間を待たずとも当日に会社から籍を抜くことができます。やむをえない事情があり即日退職したい場合は、退職代行業者にその旨を伝えることで、あなたの代わりに即日退職の手続きを代行してくれます。
即日退職に対応している退職代行の選び方
即日退職に対応している退職代行を選ぶ際には、以下の点を押さえてください。
- 即日対応が可能なことを確認する
- 労働組合や弁護士が対応する退職代行を選ぶ
- 費用と追加料金を確認する
- 実績や口コミを確認する
即日対応が可能なことを確認する
即日対応が可能な退職代行を選ぶためには、公式サイトやサービス内容の確認が必要です。公式サイトには、即日対応できるか明記されている場合があります。サービスの提供時間や対応可能な時間帯を確認するのも重要です。不安な場合は問い合わせをして直接確認しましょう。
実際にサービスを利用したユーザーの口コミや評判を調べるのも重要です。口コミや評判を確認すると、即日対応が本当に可能かどうかの実態がわかります。即日対応を強調している業者や実績が豊富な業者を選ぶと、安心して依頼できます。
24時間365日対応している業者もあります。夜中に依頼があった場合は、翌朝に対応するのが通常です。
労働組合や弁護士が対応する退職代行を選ぶ
労働組合や弁護士が対応する退職代行は、法的なトラブルを避けたい人向けです。労働組合や弁護士が対応する退職代行サービスには、以下の強みがあります。
- 法的知識と交渉力
- 労働者の権利保護
- 適切な手続きと書類の準備
本来、依頼者の代わりに会社に対して交渉を行うのは弁護士のみに許された行為です。しかし、例外として労働組合は団体交渉権を持っているので、有給消化や退職日などの交渉を法的に行うことができます。
追加費用が発生しにくい点も魅力です。未払い賃金があり支払いの請求を行った場合、弁護士の場合は成功報酬として一部追加費用がかかりますが、退職の意思を伝え、有給消化や退職日の交渉を行うだけであれば一度の支払いですべての手続きが完了する場合が多く、予算内で安心して利用できます。
信頼性と安心感から、労働組合や弁護士が対応する退職代行は多くの人に選ばれています。
費用と追加料金を確認する
退職代行を利用する際、費用と追加料金を確認してください。費用の透明性が確保されていないと、思わぬ追加料金が発生する可能性があります。基本料金に加えてオプション料金が発生する可能性や詳細を事前に確認しておきましょう。
支払い方法や分割払いのオプションを検討することもおすすめです。キャンセルポリシーや返金対応の有無を確認すると、安心してサービスを利用できます。
実績や口コミを確認する
退職代行サービスを選ぶ際、過去にどれだけの退職をサポートしてきたかの確認が必要です。多くの成功事例がある業者は信頼性が高いです。豊富な実績がある業者はさまざまなケースに対応した経験があり、迅速かつ適切な対応が期待できます。
具体的には、業者の公式サイトや宣伝資料に実績を明示しているかどうかをチェックしましょう。利用者の口コミや評判を調べると良いです。Google mapやSNSでの評価を確認すると、実際にサービスを利用した人の生の声がわかります。
ネガティブな口コミに対する業者の対応も重要なポイントです。問題が発生した際の対応力を見極められます。
退職代行で即日退職する流れ
退職代行で即日退職する流れは以下のとおりです。
- 退職代行業者への相談
- 打ち合わせと料金の支払い
- 退職代行業者から会社への連絡
- 備品の返却や社宅の退去
①退職代行業者への相談
退職代行業者への相談は簡単です。業者の公式サイトや問い合わせフォームから相談を開始します。
相談方法は電話やメール、LINEなどがあり、自分に合った方法を選べます。24時間対応している業者もあり、忙しい人にも便利です。
自分の状況や退職理由を詳細に伝えると、適切なサポートが受けられます。提供されるサービス内容を確認し、費用や支払い方法の質問も可能です。
②打ち合わせと料金の支払い
退職代行業者に相談内容を伝えた後、具体的な打ち合わせを行います。打ち合わせでは以下のことを確認します。
- 会社や依頼者の情報共有
- 退職日の希望
- 有給消化の希望
- 代行実施日の確認
- 私物や返却物の有無の確認
- 業務の引継ぎ事項の確認
- 費用や支払い方法の確認
トラブルを避けるためにも、疑問点は必ずその場で解決して依頼しましょう。指定された方法で料金を支払い、支払いが確認されると、退職代行業者は手続きを開始する準備をはじめます。支払い方法は、銀行振込やクレジットカードなど、さまざまな方法が用意されているので、自分に合った方法を選びましょう。
あと払い対応している業者もありますが、数千円程度の手数料がかかることが多いです。
③退職代行業者から会社への連絡
退職代行業者は、依頼者の代理として会社がスムーズに退職できるように会社に連絡します。会社に伝える内容は以下のとおりです。
- 退職の意思
- 退職希望日
- 有給休暇の消化希望
- 後任者への引き継ぎ事項
連絡の手段は、手早い電話が選択されることが多いです。退職日や手続きについて具体的な調整が必要な場合は、退職代行業者が会社と交渉する場合があります。
電話は証拠が残らないのがデメリット
電話は一番早く会社に退職の意向を伝えることができますが、証拠が残りません。弁護士が行う退職代行では必ず「退職通知」を内容証明郵便で郵送し、その上で電話をかけて退職手続きを開始します。一方、代行業者は基本的に電話のみで連絡を行うので、後々大きなトラブルになりそうな場合は弁護士に依頼した方が良いです。
④備品の返却や社宅の退去
代行業者から聞いたとおりに備品の返却や社宅の退去などの退職手続きを行いましょう。備品の返却方法は会社に従う必要があり、郵送や直接持参など、指定された手順で行いましょう。手続きを怠ると、トラブルの原因になるので、注意が必要です。社宅に住んでいる場合は、以下の手続きが必要です。
- 退去手続き
- 書類準備
- 退去日通知
- 清掃や修繕
- 鍵や備品の返却
社宅に住んでいる場合はその分手続きが増えるので、不明点があれば退職代行業者にその都度確認するようにしましょう。
退職代行で即日退職するときの注意点
退職代行を利用して即日退職を考える際に、注意する点は以下のとおりです。
- 二重雇用にならないように注意が必要
- 退職代行業者の選び方を誤ると失敗することがある
- 欠勤扱いの期間は無給になる
二重雇用にならないように注意が必要
即日退職を考える場合、二重雇用にならないか考えることが重要です。
退職代行業者からは即日退職が完了し、翌日以降出勤しなくて良いと言われても実際の退職日は2週間後だったというケースもあります。退職日までの2週間は今の会社に籍が残っているので、この期間に次の会社へ入社すると二重雇用になりトラブルが生じるリスクがあります。
退職代行業者が「即日退職」と言っている場合でも、退職日はいつになるのかを必ず確認するようにしましょう。
二重雇用とは?
二重雇用とは、一人の労働者が複数の会社と雇用契約を結んで働くことです。会社で兼業が禁止されている場合、今の職場に籍を置いているだけでも就業規則違反になる可能性があります。また、健康保険や厚生年金の取り扱いが複雑になりトラブルに発展する可能性があります。
退職代行業者の選び方を誤ると失敗することがある
退職代行業者の選び方を誤ると、退職手続きがスムーズに進まない可能性があります。労働組合や弁護士が対応していない業者は退職意思の伝達しかできないため、有給消化や退職日の交渉が行えないため、希望通りに退職できないリスクがあります。
十分な実績がない業者を選ぶことも、トラブルの原因です。経験の浅い業者は会社との交渉がうまくいかず、退職手続きが長引く場合もあります。
評判や口コミを確認せずに選ぶと、信頼性が低い業者を選んでしまう場合もあります。サポート体制が不十分な業者を選ぶと、緊急時に対応してもらえないことがあるので注意が必要です。夜間や週末に急なトラブルが発生した場合に対応が遅れることがあります。
リスクを避けるためには、信頼性の高い業者を選びましょう。信頼性の高い業者は法的資格を持ち、実績が豊富で費用も明確です。
評判や口コミを見て、サポート体制がしっかりしている業者を選んでください。
欠勤扱いの期間は無給になる
欠勤扱いの期間中は給与が支払われません。収入の減少を避けるためには、有給休暇が残っている場合は積極的に有給消化を検討しましょう。収入が減ると生活費に影響を及ぼすため、事前に経済的な計画を立てることが重要です。
次の職場での給料日が先の場合は、国民健康保険加入への負担も生じます。退職後の生活費を考慮し、経済的な計画を立てておくことが重要です。
退職代行の即日退職に関するよくある質問
退職代行の即日退職に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 派遣社員でも即日退職できる?
- 無断欠勤中でも即日退職できる?
- 体調不良を理由に即日退職はできる?
派遣社員でも即日退職できる?
派遣社員でも即日退職は可能です。派遣社員が即日退職するためには派遣先と派遣元の両方に連絡を入れる必要がありますが、退職手続きは派遣元に対して行われます。
有給休暇が残っている場合は、即日退職の際に利用しましょう。やむを得ない事情がある場合は、即日退職が認められやすいです。具体的な事情としては、家庭の事情や急な体調不良などです。事情を派遣元に伝えると、即日退職がスムーズに進みます。
派遣社員であっても、退職代行で即日退職することは可能です。
無断欠勤中でも即日退職できる?
無断欠勤中でも即日退職は可能です。
無断欠勤中であっても、退職の申し入れを行えば退職できるという原則は変わらないからです。退職代行に依頼すれば、退職日までをさらに欠勤扱いにするか、有給休暇を消化するかの交渉を行ってくれます。
無断欠勤中であっても法律にもとづいて退職できるため、安心して退職代行サービスの利用が可能です。退職手続きが進む間は出社の必要はありません。安心して即日退職できます。
体調不良を理由に即日退職はできる?
体調不良を理由に即日退職は可能です。労働基準法によれば、やむを得ない事情がある場合は即日退職が認められます。体調不良はやむを得ない事情に該当する場合が多いため、即日退職が可能です。
体調不良を理由に即日退職することを拒否する会社もありますが、法的には即日退職が認められるケースが多いです。退職代行業者を利用すると、体調不良を理由に即日退職がスムーズに進みます。不安であれば、労働基準監督署に相談しましょう。
まとめ
即日退職するためには、「即日退職」という言葉の意味や退職代行サービスの選び方や流れ、注意点を理解することが重要です。
即日対応が可能な業者や、信頼性の高い労働組合や弁護士が対応する業者がおすすめです。費用や追加料金、実績や口コミを確認し、退職後のトラブルを避けるために事前に相談しましょう。