- 一年目だけどすでに仕事がきつい…
- 看護師が向いてないと感じている…
- 転職するべきか迷っている
- 一年目をどう乗り切ったらいいのか知りたい
看護師として働き始めて、さまざまな困難に直面している新人看護師は多いです。
新人看護師が直面する困難は、実は一時的なことがほとんどです。それまで学生だった人が急に厳しい病院社会に入れば、うまくいかないことや理想通りにいかないと思うことは当然だからです。
この記事では、新人看護師の仕事内容や給与事情、直面する困難と対処法、転職に関する注意点について詳しく解説します。
記事を読めば、新人看護師として直面する課題を理解し、より良いキャリアを築けます。適切な対処法を身に付け、周囲のサポートを受けながら、自分のペースで成長していくことが大切です。
新人看護師の仕事内容
新人看護師の仕事内容は多岐にわたり、あらゆることに対応できるスキルが必要です。
新人看護師の仕事内容について、以下の3点を解説します。
- 新人看護師の研修スケジュール
- 新人看護師の業務内容
- 新人看護師が一人前になれる基準
新人看護師の研修スケジュール
新人看護師の研修スケジュールは、以下のとおりです。
- 1〜2週間
- オリエンテーションで、病院の規則や基本的な流れを学びます。
- 1〜2か月
- バイタルサインの測定方法や注射や採血の技術、基本的な患者ケアなど、基本的な看護技術の研修です。
- 3〜6か月
- 病棟に配属され、実践的な研修を受けます。先輩看護師の指導のもと、実際の患者さんのケアを行います。
- 6か月〜1年
- プリセプター制度による指導が行われることが一般的です。先輩看護師がマンツーマンで指導してくれるので、わからないことはすぐに聞けます。
新人看護師は、勉強会や症例検討会、医療安全、感染対策の研修、専門分野別の研修などさまざまな研修を受けます。
病院や部署によってスケジュールや看護技術の進み具合は大きく異なります。
新人看護師の業務内容
新人看護師の業務内容は、まずは職場環境に慣れ、患者の健康状態を把握して適切なケアをすることです。
業務内容は、以下のとおりです。
- バイタルサインの測定と記録
- 患者の観察と状態報告
- 与薬の準備と投与
- 点滴の管理
- 採血や検体採取の補助
- 清拭や入浴介助
- 食事介助
- 排せつ介助
- カルテの記入
- 患者や家族とのコミュニケーション
新人看護師は先輩看護師の指導を受けながら、徐々に業務の範囲を広げていきます。
簡単な作業から始まり、経験を積むにつれて難しい処置も任されます。病棟の環境整備や感染予防対策の実施など、患者の安全を守るための業務も欠かせません。業務を通じて、新人看護師は医療チームの一員としての役割を学びます。
新人看護師が一人前になれる基準
新人看護師が一人前になるには、基本的な看護技術を習得することが必要です。患者との適切なコミュニケーション能力も求められます。
以下の能力や知識が身に付いていることが、一人前の基準です。
- 医療チームとの連携・協力
- 緊急時の対応
- 医療安全の知識と実践
- 看護記録の作成・管理
- 薬剤投与の実施
- 感染予防対策
患者の状態を的確に観察し、適切なアセスメントを行う力も必要です。
看護計画の立案・実施・評価ができることも重要な基準の一つとなります。倫理的な判断力や自己管理能力も求められます。時間管理のスキルも、一人前の看護師には欠かせません。専門知識を継続的に学習し、最新の情報を取り入れる姿勢も大切です。
新人看護師の給与事情
新人看護師の初任給は、大都市圏の大規模病院では比較的高く、地方や小規模病院では低めの傾向があります。
夜勤手当や残業代で月収は増加し、経験年数に応じて昇給します。給与以外の待遇も考慮して職場を選ぶことが大切です。
- 新人看護師の初任給
- 新人看護師のボーナス支給額
新人看護師の初任給
新人看護師の初任給は、平均して約22万円です。ただし、地域や病院の規模によって19~25万円程度の幅があります。夜勤手当や残業代を含めると、月収は25~30万円になります。
金額の違いには、以下の要因が関係しています。
- 国公立病院と私立病院の違い
- 大都市圏と地方の違い
- 病院の規模の違い
新人看護師の初任給は、他の医療職と比べて比較的高いです。ただし、病院の経営状況によって変動する可能性もあり、注意が必要です。経験年数とともに昇給していき、資格取得によって手当がつきます。キャリアアップすれば、収入を増やせる可能性もあります。
新人看護師のボーナス支給額
新人看護師のボーナスは、年2回(夏と冬)支給されることがほとんどです。支給額は基本給の2〜4か月分程度が多く、病院や地域によって差があります。
公立病院は民間病院より高い傾向にあり、夏のボーナスは冬より少ないです。業績や勤務評価により変動するので、新人は経験者より少ない場合が多いです。
ボーナスは重要な収入源となるので、就職先を選ぶ際の参考になります。就職先を選ぶ際は、職場環境や成長機会なども考慮して総合的に判断することがおすすめです。
中には、月給は良いけどボーナスが極端に少ない病院もあるため注意しましょう。
新人看護師のつらいことと対処法
新人看護師が直面する困難と対処法について説明します。
新人看護師のつらいことは、以下の4つです。
- 理想と現実のギャップ
- 知識不足
- 人間関係
- 仕事量の多さ・残業
一人で抱え込まず、周囲にサポートしてもらうことが重要です。
理想と現実のギャップ
理想と現実のギャップは、新人看護師が直面する大きな課題と言えます。入職前のイメージと仕事内容に違いがあり、戸惑いを感じます。
理想と現実のギャップを感じる仕事内容は、以下のとおりです。
- 患者との関わり方
- 医療技術の習得
- 夜勤や長時間勤務
- 責任の重さ
- チームワーク
理想と現実のギャップは、新人看護師の心理的負担を増大させる要因です。
乗り越えるためには、成長を焦らず、周囲のサポートを積極的に受け入れることをおすすめします。先輩看護師や同期のサポートを受け、一人で抱え込まないようにしましょう。
知識不足
新人看護師にとって、知識不足は悩みの一つです。
医学・看護の専門知識や医療機器の操作に不慣れなことが原因で、自信を失います。新人看護師は、緊急時の対応力や薬剤に関する知識、医療用語の理解などが不足しがちです。知識不足は日々の業務に支障をきたし、無力感を増大させる要因にもなります。
知識不足は、経験を積めば必ず解消されます。焦らず、着実に学ぶことが大切です。
人間関係
新人看護師にとって人間関係の大きな課題は、以下のとおりです。
- 協調性の維持
- 患者とのコミュニケーション
- パワーハラスメント
- 嫌がらせ
新人看護師は上司や先輩からの指導にも耐える忍耐力が求められます。休憩時間や勤務時間外での人間関係づくりも、職場環境の改善に役立ちます。
同期との競争心や比較によるストレスも無視できません。自分のペースを保ち、他者と協力する姿勢が大切です。新人看護師は課題に向き合いながら、徐々に職場になじむ必要があります。
同期との差は精神的に辛いですが、1年後には完全になくなっています。目の前のクリアできそうな壁を一つずつ超えていけば大丈夫です!
仕事量の多さ・残業
看護師の仕事量の多さと残業は、大きな課題です。
業務量が多く残業が常態化しており、休憩が十分に取れていません。夜勤や休日出勤も多く、心身ともに負担が大きいです。
残業になる原因は、以下とおりです。
- 患者の急変や緊急対応
- 書類作成や記録
- 人手不足
- 経験不足
先輩看護師や医師からの指示が多く、こなすのに時間がかかることも残業の原因になります。
患者や家族とのコミュニケーションにも時間を要するため、業務時間内に終わらせることが難しいです。仕事の優先順位をつけて業務を整理したり、先輩看護師に教わり業務を効率化したりすることが重要です。
新人看護師に転職をおすすめできない理由
新人看護師の転職には、以下のデメリットがあります。
- 同期との差ができる
- 転職先の選択肢が少ない
- 辞め癖がついてしまう
新人看護師には安易な転職をおすすめできません。初めの職場でスキルを向上させることが重要です。
同期との差ができる
新人看護師が転職をするデメリットの一つは、同期との差ができることです。
転職によって、同期と比べて経験や技術の面で後れを取ります。継続して働くことで得られる成長の機会を逃し、長期的なキャリア形成に影響を与える可能性が高いです。
転職先では一から人間関係を築く必要があるため、信頼関係の構築に時間がかかります。同期と比較して昇進や昇給の機会が遅れる可能性もあります。特定の分野での深い専門知識を獲得することも難しいです。
転職先の選択肢が少ない
転職先の選択肢が少ないことは、転職を考える際の大きな問題となります。
経験不足により、希望する病院や診療科への転職が難しい可能性が高いです。転職市場での競争力が低下し、給与や待遇面でデメリットが生じます。
新たな環境への適応に時間がかかり、能力の評価が十分にできず、転職先で再び新人扱いされる可能性も高いです。
上記のような状況を避けるためには、現在の職場でキャリアを積むことが重要です。転職をしたい場合は、慎重に検討し、スキルアップを図りながら転職活動を行うことをおすすめします。
とはいえ、健康面に不調を来たしてまで頑張る必要はありません。限界を感じているのであれば無理をせず退職することをおすすめします。
辞め癖がついてしまう
辞め癖がついてしまうことは、新人看護師のキャリア形成において大きな問題です。
一度退職を選択すると、同様の行動をとりやすい傾向があります。長期的なキャリア形成が難しくなり、昇進の機会も減少します。
転職を繰り返すことで雇用主からの信頼も低下しやすく、適切な職場を見つけるのが困難になります。
問題に直面したときは辞める前に周囲へ相談しましょう。仕事での困難を自己成長の機会と捉え、前向きな姿勢を持つと、キャリアを着実に積み重ねられます。
新人看護師が成功するためのポイント
新人看護師が成功するためのポイントは、以下の4つです。
- 学ぶ姿勢を忘れない
- ストレス発散方法を身に付ける
- 体調管理をしっかりする
- 困りごとや悩みを1人で抱え込まない
ポイントを意識して実践すると、より充実した看護師生活を送れます。
学ぶ姿勢を忘れない
学ぶ姿勢を忘れないことは、新人看護師の成長にとって重要です。
新しい知識や技術を吸収する姿勢を持てば、より良い看護を提供できます。失敗を恐れず、挑戦する姿勢も大切です。失敗から学ぶべることは多いので、失敗は前向きに捉えましょう。振り返りをする習慣も効果的です。
日々の経験を振り返り改善点を見つければ、着実に成長できます。疑問を感じたら、すぐに調べる習慣をつけることもおすすめです。疑問点をすぐに解決すると、知識が定着しやすいです。他の看護師の良い点を観察し、取り入れることも学びの一つになります。周りの優れた点を吸収すれば、看護の質を高められます。
自己評価を行い、自分の強みや弱みを把握すれば、効果的に学習を進めることが可能です。
ストレス発散方法を身に付ける
ストレス発散方法を身に付けることは、新人看護師にとって重要です。適切な方法を見つければ、心身のバランスを保ち、仕事のパフォーマンスを向上させられます。
効果的なストレス発散方法は、以下のとおりです。
- 運動や趣味の時間を持つ
- 創作活動をする
- 友人や家族と交流する
- 自然の中で過ごす
上記の方法を取り入れると、ストレスを軽減し、心身のリフレッシュを図れます。
一人ひとりに合ったストレス発散方法は異なるので、自分に合った方法を見つけることが大切です。ストレス発散の時間を設ければ、仕事のストレスをうまく管理でき、長期的に看護師としてのキャリアを続けられます。
ストレス発散は、心身の健康を維持するために重要です。自分を一番大事にできないと看護師の仕事を続けることはできません。
体調管理をしっかりする
体調管理は看護師として働くうえで重要です。十分な睡眠時間の確保とバランスの取れた食事摂取が基本となります。
体調管理の際は、以下の点に気をつけてください。
- 定期的な運動習慣
- 適切な水分補給
- ストレス解消法
- 規則正しい生活リズム
定期的な健康診断の受診や予防接種の適切な実施も大切です。
休息時間を効果的に利用し、体調不良時には早めの対処と報告を心がけてください。習慣を日々の生活に取り入れれば、心身ともに健康な状態を保てます。体調管理は自身の健康や、患者への質の高いケアの提供にもつながります。
困りごとや悩みを1人で抱え込まない
困りごとや悩みを1人で抱え込まないことは、新人看護師にとって大切です。現場ではさまざまな課題に直面しますが、一人で解決するのは難しく、ストレスの原因となります。
以下の方法で悩みを共有し、解決策を見つけることが可能です。
- 同僚や先輩に相談する
- 上司や管理者に報告する
- メンターや教育担当者に助言を求める
- 院内のカウンセリングサービスを利用する
以上の方法を積極的に活用すれば、問題解決の糸口が見つかります。
看護協会や労働組合に相談したり、友人や家族に話を聞いてもらったりすることも有効です。専門家(心理カウンセラーなど)に相談すると、客観的な視点から助言をもらえます。悩みを共有すれば、安心感を得られます。
他の人の経験や知恵を借りると、より良い解決策を見つけられる可能性が高いです。困ったときには遠慮せずに周りの人に相談してください。より充実した看護師生活を送るための第一歩になります。
相談しやすい人なら誰でも大丈夫です。話をするだけでも気分がすっきりします。
まとめ
新人看護師は仕事内容や給与事情を理解し、直面する困難に対処する方法を把握することが大切です。
新人看護師の転職にはデメリットが多いため、慎重に検討してください。仕事がつらいときは、ストレス発散したり同僚や先輩に相談したりすることがおすすめです。
ただし、本当に限界だと感じた時は無理をせず、手遅れになる前に自分を第一に考えて行動してください。
成功するためのポイントを実践し、困難を乗り越えると充実した看護師人生を送れます。