- 退職代行は本当にやめておいた方がいいのか
- なぜ使わない方が良いと言われているのか
- 使う場合の注意点やデメリットは何?
「退職代行って便利そうだけど、本当に大丈夫なの?」と不安に思う人は多いです。
退職代行サービスは、会社に直接退職を伝えたくない方にとって魅力的な選択肢です。しかし、利用する前に知っておくべきデメリットもあります。正しい知識を身に付けることで、後悔のない選択が可能です。
この記事では、「退職代行はやめとけ」と言われる理由や、失敗しないための選び方のポイントを詳しく解説します。この記事を読めば、自分が退職代行サービスを利用すべきかどうかがわかります。退職代行サービスを検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
退職代行はやめとけと言われる8つの理由
退職代行はやめとけと言われる理由は以下のとおりです。
- コストがかかる
- 有給消化や未払い給料の交渉ができないことがある
- 会社から連絡が来る可能性がある
- 損害賠償請求や懲戒解雇のリスクがある
- 必要な退職書類が送られてこないことがある
- 悪質な退職代行業者に遭うリスクがある
- 退職後に「ありえない・クズ」と思われる可能性がある
- 罪悪感や自己嫌悪を感じやすい
上記を理解すれば、サービスを利用するかどうかの判断がしやすくなります。
コストがかかる
退職代行サービスを利用する際、気になるのが費用です。
一般的なサービスの料金は2万〜5万円程度で、決して安い金額とは言えません。退職後の生活費や次の仕事が見つかるまでの出費を考えると、人によっては大きな負担です。
中には1万円台の格安サービスもありますが、十分なサポートが得られません。退職がうまくいかず、費用だけ無駄になってしまうリスクもあります。
有給消化や未払い給料の交渉ができないことがある
退職代行サービスを利用する際、有給休暇の消化や未払い給与の交渉ができない場合があります。弁護士や労働組合が関与していない退職代行業者では、有給消化や未払い給与の交渉は一切できません。代行業者選びに失敗すると、残っている有給休暇の消化ができなかったり、未払い賃金があっても請求できない可能性があります。
自分にとって不利な退職条件にならないためにも代行業者選びは重要です。
会社から連絡が来る可能性がある
退職代行サービスを利用しても、会社とのコンタクトを完全には避けられません。会社側が退職代行業者からの連絡を無視して、本人に直接連絡をしてくる可能性があるためです。
上司から確認の電話や、人事部からメールが届く可能性があります。直接的なコンタクトは、精神的なストレスを引き起こす可能性が高いです。退職代行を利用する人は、会社との直接のやり取りを避けたいと考えているため、望ましくない状況です。
損害賠償請求や懲戒解雇のリスクがある
退職代行サービスを利用する際、注意しなければならないのが法的リスクです。突然の退職や無断欠勤が続くと、損害賠償請求や懲戒解雇のリスクがあります。重要なプロジェクトの最中に突然退職すると、会社に大きな損害を与える可能性が高いからです。
退職代行サービスを利用したことで無断欠勤扱いとなり、就業規則違反で懲戒解雇となる可能性も否定できません。懲戒解雇は通常の退職と異なり、次の就職活動に大きな影響を与えます。退職金が支給されないなどの不利益も生じます。法的リスクは、退職代行サービスを利用する際に十分考慮しなければなりません。
本当に無断欠勤になるのか?
退職代行サービスを利用すれば、代行業者が「明日から出勤しない」と伝えてくれるので、無断欠勤にはなりません。しかし、会社によっては無理矢理な理由をつけて脅迫めいた発言をすることもあります。法的なトラブルに発展しそうな場合は弁護士の退職代行サービスに依頼するのがおすすめです。
必要な退職書類が送られてこないことがある
退職代行サービスを利用すると、必要な退職書類が適切に送られてこないケースがあります。会社側の手続きの遅れやミス、あるいは退職代行業者との連絡不足が原因です。必要な書類がそろわないと、新しい職場での手続きや社会保険の継続に支障が出ます。
具体的には、以下のような重要書類が送られてこないケースがあります。
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険資格喪失証明書
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 離職票
書類がそろわないと、次の職場での手続きが滞ったり、失業保険の申請ができなかったりする可能性が高いです。未払い賃金や退職金の支払いが遅れる可能性もあり、経済的な負担が増えることも考えられます。
悪質な退職代行業者に遭うリスクがある
退職代行サービス業界には、残念ながら悪質な業者も多いです。悪徳業者に遭遇すると、さまざまなトラブルに巻き込まれます。具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- 料金を支払った後、連絡が取れなくなる
- 個人情報を悪用され、迷惑な勧誘電話が増える
- 退職完了後に高額な追加料金を請求される
- 必要な相談に適切に対応してもらえない
- 会社に対して、利用者の意図しない退職理由を伝える
トラブルを避けるためには、利用する前に業者の評判や実績をしっかりと調査することが重要です。料金体系が不明瞭だったり、過度に安い料金を提示したりする業者には注意が必要です。信頼できる業者を選ぶことが、安全に退職代行サービスを利用するために欠かせません。
退職後に「ありえない・クズ」と思われる可能性がある
退職代行サービスを利用することで、会社や同僚から否定的な評価を受ける可能性があります。一般的に、退職は自分で直接伝えるものだと考えられているからです。代行サービスを使うことで「責任感がない」「誠実さに欠ける」などと思われるリスクがあります。
長年一緒に働いてきた同僚から「なぜ直接言ってくれなかったのか」と失望されるなどが一例です。上司や同僚から「信用できない」と思われることもあります。チームで重要なプロジェクトを進めている最中に突然退職すると、残された同僚の負担が増え、強い反感を買うことは避けられません。
同じ業界内での転職を考えている場合、評判が広まることで不利になる可能性もあります。退職代行サービスの利用は、短期的には楽かもしれませんが、長期的な視点で見ると慎重な検討が必要です。
罪悪感や自己嫌悪を感じやすい
退職代行サービスを利用すると、罪悪感や自己嫌悪を感じる人がいます。自分で行える手続きを他人に任せることへの後ろめたさや、直接面と向かって退職を伝えられなかったことへの自責の念が原因です。
長年お世話になった上司や同僚と最後の挨拶もせずに去ることで、自分に自信が持てなくなることもあります。「きちんと感謝を伝えられなかった」という後悔の気持ちが残ってしまう真面目な方も多いです。しかし、罪悪感や自己嫌悪を引きづっていると、新しい職場でのパフォーマンスにも影響を与えます。
退職代行サービスの利用を検討する際は、精神的な影響も考慮に入れましょう。自分の価値観や信念に沿った行動をすることが、長期的には良い結果をもたします。
退職代行サービスでの失敗を避けるためのポイント
退職代行サービスを利用する際に気をつけるべき以下のポイントを押さえましょう。
- 希望条件を明確にする
- 雇用形態に適した退職代行を選ぶ
- 基本料金や追加料金の有無を確認する
- 顧問弁護士の在籍有無を確認する
- インターネット上の口コミや評判を参考にする
サービスを選ぶ際の注意点や、トラブルを避けるためのアドバイスを紹介します。
希望条件を明確にする
退職代行サービスを利用する前に、自分の希望条件をしっかりと整理しましょう。明確な条件を持つことで、適切なサービスを選びやすくなり、トラブルを回避できます。以下のような点を考慮してください。
- 希望する退職日
- 有給休暇の消化希望
- 退職金や未払い給与の確認
- 引き継ぎ業務の有無
- 会社との交渉の必要性
「最短で退職したい」「有給休暇をすべて消化したい」「未払いの残業代を請求したい」といった具体的な希望を整理します。希望条件が明確であれば、サービス選びの際に必要な機能を持つ業者を選びやすいからです。
雇用形態に適した退職代行を選ぶ
退職代行サービスを選ぶ際は、自分の雇用形態に合ったものを探すことが大切です。正社員や契約社員、派遣社員、アルバイトなど、働き方によって退職の手続きや必要な対応が変わります。
正社員の場合、有給消化や退職金の交渉を視野に入れる必要があります。契約社員なら、契約期間との兼ね合いを考慮しなければなりません。派遣社員では、派遣元会社との連絡調整が重要です。アルバイトの場合は、未払い給与の確認や労働時間の精算がポイントになります。
自分の雇用形態に適したサービスを選ぶことで、スムーズな退職手続きが期待できます。雇用形態ごとの特徴を理解し、対応できるサービスを探しましょう。必要に応じて、雇用保険の手続きサポートがあるかどうかも確認してください。
基本料金や追加料金の有無を確認する
退職代行サービスを利用する際は、料金体系をしっかり確認することが重要です。基本料金だけでなく、追加料金の有無や条件をよく調べましょう。予想外の出費を防ぐために、細かい部分まで注意を払う必要があります。
基本料金に含まれるサービスの内容を把握しましょう。有給消化の交渉や未払い給与の請求など、追加料金が発生するサービスもあります。支払い方法や時期、返金保証の有無なども確認します。分割払いや後払いなどの選択肢があるかどうかも重要なポイントです。
料金体系が不透明な業者は避け、明確な料金体系を提示している業者を選ぶことが重要です。予算内で必要なサービスを受けられるよう、慎重に選択してください。
隠れた費用がないか精査し、総額を把握することで安心してサービスを利用できます。
顧問弁護士の在籍有無を確認する
退職代行サービスを選ぶ際、顧問弁護士の在籍有無は重要なポイントです。弁護士が関与しているサービスは、法的なコンプライアンスが高く、安心感があります。顧問弁護士がいるサービスを選ぶ理由は以下のとおりです。
- 法的な知識がある
- トラブル時の対応が早い
- 違法行為のリスクが低い
- 複雑な案件にも対応できる
会社との交渉が難航した場合や、損害賠償請求などの問題が発生した場合でも、違法行為を行うことなく適切な対応が期待できます。
法的対応ができる訳ではない
「弁護士監修」「顧問弁護士在籍」とアピールしている退職代行業者が多いですが、あくまで代行業務自体が法的に問題ないかをチェックする役割だと思ってください。法的な対応が必要な場合や、弁護士に対応してもらいたい場合は弁護士が運営する退職代行サービスを選択しましょう。
インターネット上の口コミや評判を参考にする
退職代行サービスを選ぶ際、インターネット上の口コミや評判を参考にすることは有効な方法です。実際に利用した人の声を聞くことで、サービスの質や信頼性を判断しやすくなります。ただし、情報の信頼性にも注意を払う必要があります。
複数の口コミサイトやSNSで評判をチェックしましょう。過去の利用者の体験談を読み、サービスの対応の速さやスタッフの親切さ、実際の退職までの流れなどを確認します。悪評の内容も精査し、自分の状況に照らし合わせて判断することが大切です。
特に公式サイトに掲載されている口コミに偽装や誇張の可能性もあるため、鵜呑みにせず批判的に見る目が必要です。多くの情報を集め、総合的に判断しましょう。最新の情報かどうかも確認し、古い情報に惑わされないよう気をつけましょう。
退職代行サービスを利用するメリット
退職代行サービスには、さまざまなメリットがあります。自分で退職を伝えることが難しい方や、スムーズな退職を望む方に最適です。以下では、主なメリットを詳しく解説します。
- 自分で会社に退職を伝えなくて済む
- 会社を辞められない状況を打開できる
- 会社の人と顔を合わせる必要がない
- トラブル対応を任せられる
- 未払い給料や退職金を受け取れる
- 転職サポートを受けられる場合がある
自分で会社に退職を伝えなくて済む
退職代行サービスの最大のメリットは、自分で会社に退職を伝える必要がないことです。面と向かって退職の意思を伝えるのが苦手な方や、上司との関係が良くない方にとっては、大きな負担軽減になります。具体的には以下のような場合に有効です。
- 人間関係のストレスがある
- 退職理由の説明が難しい
- 引き止めを断る自信がない
- 対面でのコミュニケーションを避けたい
- 精神的な負担を軽減したい
パワハラを受けていて直接上司と話をするのが怖い場合や、感情的になりそうで自分で伝えられない場合などが考えられます。退職代行サービスを利用すれば、プロのスタッフが冷静かつ適切に退職の意思を伝えてくれるので心理的な負担が少ないです。
会社を辞められない状況を打開できる
退職代行サービスは、自力で会社を辞められない状況を解決する手段として有効です。会社側が退職を認めない場合や、強引な引き止めにあっている場合に役立ちます。具体的なケースは以下のとおりです。
- 退職を何度も断られる
- 強引な引き留めを受ける
- 人手不足を理由に拒否される
- パワハラや嫌がらせがある
- 退職の意思表示が難しい
上司から「今の時期に辞められると困る」と言われ続けて退職できない場合などが挙げられます。退職の意思を伝えるとパワハラがエスカレートする場合なども同様です。
退職代行サービスを利用すれば、法的な知識を持つ専門家が適切に対応し、円滑な退職を実現できます。
会社の人と顔を合わせる必要がない
退職代行サービスのメリットの一つに、会社の方と直接顔を合わせずに退職できる点があります。面と向かって退職を伝えるのが苦手な方や、職場の人間関係にストレスを感じている方にとっては、大きなメリットです。顔を合わせずに退職できるメリットは以下のとおりです。
- 精神的な負担が軽減される
- 感情的なやり取りを避けられる
- 引き止めの説得を受けない
- パワハラから逃れられる
- プライバシーを守れる
上司とのトラブルが原因で退職を決意した場合、直接顔を合わせて退職を伝えるのはとてもストレスを感じます。退職代行サービスを利用すれば、直接の対面を避けられるため、心理的な負担を大幅に軽減できます。
職場でのパワハラやいじめに悩んでいる方にとっても、加害者と顔を合わせずに退職できることは大きな安心材料です。プライベートな理由で退職する場合も、詳細を説明する必要がなくなるため、プライバシーを守りやすくなります。
トラブル対応を任せられる
退職代行サービスに頼めば、退職に関するトラブル対応を専門家に任せられます。経験豊富なスタッフが適切に対応してくれるため、複雑な問題でも安心して解決を図ることが可能です。退職代行サービスが対応できる主なトラブルは以下のとおりです。
- 退職を認めてもらえない
- 引き継ぎを強要される
- 有給休暇の取得を拒否される
- パワハラや嫌がらせがある
- 未払い給与の問題がある
会社が退職を認めず、引き止めを続けるケースなどが挙げられます。退職代行サービスを利用すれば、労働法にもとづいた適切な対応をしてくれます。パワハラや嫌がらせに悩んでいる場合も、専門家が介入することで状況が改善可能です。
法的な知識を持つスタッフが対応するため、会社側は感情的にならず適切な態度を取れ、結果としてスムーズな退職手続きが期待できます。
未払い給料や退職金を受け取れる
適切な退職代行サービスを利用することで、未払い給与や退職金の確実な受け取りができます。弁護士や労働組合が対応するサービスでは、法的な知識を活かして適切な交渉を行ってくれます。具体的には以下のような金銭トラブルに対応可能です。
- 未払いの残業代がある
- 退職金の計算が不透明になっている
- 賞与の支払いが滞っている
- 有給休暇の買い取りを拒否される
- 給与を一方的にカットされている
長年サービス残業を強いられてきたケースでは、未払いの残業代が相当な額になります。退職代行サービスを利用すれば、適切な計算方法や請求手続きを知り、確実に受け取る機会が増えます。
自分で交渉するよりも、法的な知識を持つ専門家に任せることで、有利な条件で退職できる可能性が高いです。
転職サポートを受けられる場合がある
退職代行サービスの中には、転職サポートを提供しているものがあります。退職後の新たな職場探しをサポートしてくれるので、次のキャリアへのスムーズな移行が期待できます。主な転職サポートの内容は以下のとおりです。
- 適性診断の実施
- 求人情報の提供
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策のアドバイス
- 企業とのマッチング
長年同じ会社で働いてきた方が転職する場合、最新の就職事情に不安を感じるのも無理はありません。転職サポートを利用すれば、現在の求人動向や必要なスキルについてアドバイスを受けられます。自分の強みを活かせる職種や業界の紹介を受けられる場合もあります。
履歴書や職務経歴書の書き方に不安がある方も、プロのアドバイスを元に魅力的な応募書類を作成できます。他にも面接対策のサポートを受けることで、自信を持って選考に臨めます。転職サポートは退職後の再就職への不安を軽減する心強いサービスです。
まとめ
退職代行サービスは、会社を辞める際の手続きを代行してくれる便利なサービスです。直接退職を伝えるのが難しい方や、スムーズな退職を望む方にとって有効な選択肢になります。しかし、費用がかかることや、会社との関係性が悪化する可能性があるなど、デメリットも存在します。
サービスの利用を検討する際は、メリットとデメリットを十分に理解し、自分の状況に合わせて慎重に判断しましょう。信頼できる業者を選んで退職ストレスを軽減し、新たなキャリアへの第一歩を踏み出しましょう。